2006年4月に立命館小学校が開校して今年で14年になります。
この看板は、2005年から開校までの1年間に様々な準備の中心となった「設置準備室」のものです。
立命館学園が小学校を開校するのは、創立者中川小十郎の長年の夢でありました。1918(大正7)年に発行された『立命館中学の過去現在及将来』では「小学校より中学校を経て大学予科および本科と系統一貫せる教育機関の形成」をすでに構想(『立命館百年史 通史一』pp.373‐376)していたのです。
それが、おおよそ90年の時を経て北大路キャンパスに実現したのです。
この「立命館小学校設置準備室」は、2005年に設置され、小学校の教育カリキュラムや中学・高等学校への接続教育の仕組み、学年の横だけでなく6年~1年生までの縦のグループ(ハウス制度)を作って学習する仕組みなど様々な先進的効果的な教育の形を検討した組織です。
わずか1年間の「準備室」でしたが、そこでは学園初めての小学校、一貫教育の完成、新しい教育の在り方の検討で、皆、大変な熱意をもって取り組んだそうです。
今回移管された看板も、無事小学校が開校し、看板を下ろす時、その裏面には当時の構成メンバーが記念のサインをしています。
かくて2006年4月、立命館小学校は開校の日を迎え、1年~3年生の児童が入学しました。
「立命館小学校設置準備室」の看板は、学園が続く限り保存されます。熱い思いを込めた人々のサインとともに。
2020年9月25日 立命館 史資料センター 奈良英久