この頃の大学評価・IR室

内部質保証の進展について

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天狗先生

 2018年度に受審した機関別認証評価から2年が経ちました。本学では更なる内部質保証の向上に向け、2019年度から新たに「モニタリング」と「レビュー」を基本とした自己点検・評価を進めています。 

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 「モニタリング」は、大学基準協会の点検・評価項目に加えて、本学の中期計画や事業計画に関する指標を用いて行います。そこでは、特徴的な取り組みや顕著な成果を「長所・特色」として抽出しています。また、現状と指標の目標水準が大きく乖離しているものは「問題点」として抽出し、改善に向けた計画を確認しています。報告書の様式については、従来の現状説明や全体まとめを割愛し、最新の状況に関する変化点を中心として「長所・特色」、「問題点」の2項目だけで構成することにより、各分野の成果や課題をコンパクトに表現するよう改訂しました。これにより、報告書の分量は2018年度比で1/3程度となり、各分野における報告書作成の効率化を図ることができました。成果や課題がより明確になり、報告書に目を通しやすくなったためか、自己評価委員会における質問数や発言数が以前よりも増し、議論が活発に行われるようになりました。一方で、現状説明を割愛したことで、大学全体の状況が見えにくくなったという意見もあり、2年目となる2020年度からは「長所・特色」、「問題点」に加えて、「その他」の項目と概況記入欄を設けて、情報量と効率性のバランスを調整しています。          

次に、既存の複数年を通した全体総括とは別に、単年度のテーマ別で実施する「レビュー」を開始しました。年度ごとに定めたテーマについて重点的な点検・評価を行い、中期的な課題を抽出することを目的としています。2019年度は「学習成果の把握・評価・活用の現状と今後の課題」をテーマに、学習成果検証に関わる本学の取り組みを振り返り、中期的な課題として、学習成果の検証方法の改善と、アセスメント・ポリシー策定の必要性を提起しました。この提起を受け、2020年度の自己評価委員会では、全学レベル、学位プログラムレベル、授業レベルの3層におけるアセスメント・ポリシーの議論を開始しました。なお、2020年度のレビューは、本学の強みである社会連携・社会貢献をテーマとして実施しています。

以上の「モニタリング」と「レビュー」をはじめ、外部評価や認証評価等における指摘事項に対する改善状況をとりまとめたもの、および大学基礎データ、基礎要件確認シートを合わせて、毎年度の自己点検・評価報告書としています。例年12月に、これを自己評価委員会から学長に報告し、学長より特に優先して改善を求める事項について改善実施要求が出されます。自己評価委員会では改善実施要求への対応方針を確認し、次年度の自己点検・評価活動につなげるという確実な改善・向上の仕組み(クロージング・ザ・ループ)を継続しています。

現時点での「モニタリング」と「レビュー」導入の成果としては、以下の3点が挙げられます。まず、「モニタリング」による点検・評価を効率的に行うことで、重要課題に関する「レビュー」を並行して実施することが可能となり、「モニタリング」による単年度の課題と「レビュー」による中期的な課題を抽出するに至りました。さらに、「レビュー」を起点とした課題の解決(アセスメント・ポリシーの策定等)に着手しています。

 なお、自己点検・評価報告書はこれまで毎年公開していましたが、2019年度より学内公開に留めることとしました。これは、学内の文脈での詳細な点検・評価と改善に重点を置き効率化したことにより、報告書が直近の総括的な自己点検・評価報告書の知識を前提とすること、また中期計画や事業計画を評価対象としたことで、報告書に学内情報等が含まれるためです。毎年度の大学基礎データは引き続きホームページで公開しています。

 

本学の内部質保証に関する取り組みについては、引き続きホームページやブログで情報発信して参ります。今後ともご支援、ご協力を賜りますようどうぞよろしくお願い致します。