公共交通の未来を創る市民フォーラム
第3回「よみがえるバスと進化するタクシー」
2002年9月28日
立命館大学経営学部
助教授 近藤 宏一
京都におけるバスとタクシーの今後について
1.公共交通についての基本的な考え方が大きく変わりつつある
(1)独立採算、受益者負担原則の揺らぎ
・武蔵野市の「ムーバス」の衝撃
・規制緩和による路線バス廃止の嵐のなかで
(2)行政と地域住民自身が自分たちの「足」のあり方を考える
・愛知県の二つの事例〜豊田市と桃花台
・金沢市の挑戦
(3)なぜ変化が起こっているのか
・環境問題〜モータリゼーションの限界
・高齢化などから、コミュニティの自立的な再生が地域の最大の課題に
2.これからの公共交通に求められるもの
(1)マイカーに対抗するカギは、「ドア・ツウ・ドア」と「連続性」
・運行面で:バス・電車のフィーダーとしてのタクシーの可能性
・運賃面で:カードなどを利用したシームレス化、乗り継ぎ割引からゾーン制へ
(2)地域に即したサービスのあり方を、地域自身が考える
・住民、事業者、行政が同じテーブルで検討することの重要性
〜コミュニティバスの「失敗例」から学ぶ
・行政に求められる「交通政策」
〜バス事業者としてではなく、公共交通全体の方向付けが必要
・住民に求められる自立性
〜責任を持って地域に必要な交通システムづくりを考える
・タクシー生き残りの一つの方向としてのコミュニティ・ビジネス化
3.京都におけるバスとタクシーの今後
(1)得意分野を生かした棲み分け
・バスは幹線、コミュニティ交通はタクシー事業者?
・公共交通の利用者を奪い合うのではなく、協調してマイカーに対抗する必要
(2)グレーゾーンはある
・乗合タクシーかデマンドバスか、は地域の状況次第
(3)改善のための課題
・運賃
・渋滞対策
・乗り継ぎの向上
・サービスの安定性
・その他