立命館大学 経営学部

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木本 伸教授

Shin Kimoto

研究分野
ニーチェとハイデガー、近代思想とニヒリズム、仏教の視点から見た近代ドイツ思想、ドイツ映画論
主な担当科目
ドイツ語、ドイツ語で学ぶ文化・社会、教養ゼミ(哲学)
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
しばらく生きて死んでいく。どう生きても無意味な気がして、ともあれ生命の謎を探究するために自然科学を志望していました。ところが岩波文庫でデカルトやニーチェを読むうちに、自分が学びたいのは哲学かもしれないと思い、受験願書の提出前に方向転換。それ以来、ドイツ哲学を学んでいます。最近は仏教との比較思想にも歩を進めています。死に脅かされる生は無意味に見えます。ところが死から生を見ると、ただ一度きりの生が、ここにあらしめられている。存在の尊さが見えてきます。どうすれば、この視点の転換が起きるかが問題です。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
高校生の頃は中原中也とランボーの詩集を持ち歩いていました。大学時代はニーチェと親鸞ばかり読んでいました。もちろん、他のものも読みましたが、何度も朗読して暗唱したものだけが、自分の考える力になった気がします。ただ一度で読み捨てたような本は何も残りませんでした。百冊の本を一回ずつ読むよりも、一冊の本を百回読むほうが生きる力になります。人生を通して読み抜く一冊の本に恵まれる人は幸せだと思います。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
自分の死と世界の無意味にさらされて、同じ問題に直面した先人の言葉と向き合ってきました。その他のことは何も手につきませんでした。その結果として、現在の自分に流れ着きました。その過程でわずかに身につけたのがドイツ語です。大学で仕事に恵まれたのは本当に幸運だったと思います。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
高校生の時、「迷ったら積極的な方を選ぼう」と決めました。今でも国際学会の発表申し込みを迷うときなど、若いときに自分に課した掟を思い出して、積極的な方を選ぶようにしています。迷うのは失敗が怖いからです。だけど、失敗しても命を取られるほどのことはありません。仮に失敗しても、長い目で見れば糧になります。ところで、「迷ったら積極的な方を選ぼう」と初めて考えたのは、好きな女の子に告白しようと決意した時のことです。その結末は秘密です。キャンパスでお茶でも飲みながら話しましょう。

■おすすめの書籍や映画

唯円『歎異抄』ニーチェ『悲劇の誕生』ハイデッガー『ヒューマニズムについて』
映画『セックスと嘘とビデオテープ』『太陽を盗んだ男』


■関連リンク

研究者学術情報データベース (ritsumei.ac.jp)