立命館大学 経営学部

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近藤 宏一教授

Koichi Kondo

研究分野
①地域の公共交通の運営と政策 ②オーケストラの経営
主な担当科目
交通システム論、サービス・マーケティング論
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
「地域の活性化」を、経営学を使って考えようとしています。
サービス事業の発想から企業や組織の経営を考える、サービス・マネジメントという理論をもとに、地域の活性化を交通や文化・芸術といった面から研究しています。交通では、バスや路面電車など公共交通を充実させることで、人々がマイカーに頼らずに移動できるようにして、地域に新しい活気を生み出すための仕組みづくりを検討しています。文化・芸術では、オーケストラや博物館が、どのように地域との協力関係を作っていくことで、持続的に発展していけるのかを検討しています。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
学生時代は学生自治会の活動に没頭していました。当時は、大学の学費が急激に値上がりした時期で、学生の生活はたいへんでした。このため、学費値上げの中止を求めて大学と交渉したり、国会議員のところにまで要請にも行きました。自治会役員を一緒に務めた友人のところに泊まり込んで、夜中にいろんなことを語り合ったのも青春でしたね。
そんなわけで必ずしも勉強熱心とはいえなかったのですが、ゼミはがんばったと思います。全国のゼミナール大会に出場して、他大学の学生との質疑応答でバトルしたり、卒論を書くために伊勢で合宿したりもしました。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
大学を卒業後、企業に勤めていたのですが、滋賀県の信楽高原鐵道で列車の正面衝突事故が起こり、多数の方が亡くなりました。鉄道旅行が好きな私にとっては大きな衝撃でした。これは技術的な問題だけでなく、組織のあり方や運営にも問題があるに違いないと直感し、これについて考えるために、大学院で経営学の視点から交通の問題を勉強し直そうと思ったのです。
その後、紆余曲折があって今は直接、事故や安全の問題を研究していないのですが、「人を命を大切にするための経営学」が、自分の原点であることにかわりはありません。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
大学ではもちろん専門的知識を学びますが、それだけでなく、いやそれ以上に大切なのは、問題を見つけ出す方法、何かについて考える方法、より正確な情報を把握する方法などを学ぶことです。例えば、現在起こっている新型コロナウイルスの流行に関しても、様々な憶測、無思慮な発言、デマが飛び交っていますが、そうした情報のなかから、何がわかっていて、何がわかっていないのかを峻別し、わかっている限りのことから最大限妥当な判断をしていくことなしには、自分の身を守ることができません。そうした現代社会を生きていく上で必要な、いわば「知的基礎体力」のようなものを、大学では身につけることができます。ぜひ、大学の4年間で自分の生きる力を強化してください。

■おすすめの書籍や映画

土居 靖範, 可児 紀夫, 丹間 康仁『地域交通政策づくり入門』自治体研究社、2017年
取材・構成 木杳舎、武濤京子監修『クラシック音楽マネジメント ~音楽の感動を届ける仕事』ヤマハミュージックメディア、2011年


■関連リンク

研究者学術情報データベース (ritsumei.ac.jp)