立命館大学 経営学部

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畑中 敏之特別任用教授

Toshiyuki Hatanaka

研究分野
〈もの〉を媒介にして形成される社会的人間関係=身分関係の歴史的研究
主な担当科目
(教)道徳教育の理論と方法、(教)人間と差別の教育論
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
〈身分〉といえば、江戸時代の「士農工商」がイメージされるでしょう。生まれによって職業・居住地等が政治的に固定化されてしまうというイメージですが、しかし、この身分の見方は一面的です。政治的側面から主として説明されてきた従来の身分ではなく、江戸時代のみならず、全ての時代における「社会のなかでの人間存在のあり方」を身分(広義)として捉えます。そのうえで、特に〈出自〉による社会的な人間存在のあり方を身分(狭義)として改めて捉え直す必要があります。広義の身分(の捉え方)をベースに狭義の身分を位置づけます。私は、日本近世社会におけるこのような身分・身分社会の追究にあたって、雪踏(雪駄)などの伝統履物の生産・流通・消費の社会的経済的構造から考えています。〈もの〉を媒介にして形成される社会的人間関係=身分関係をキーワードに、歴史社会を描くことをめざしています。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
大学に入学したのは1971年です。いわゆる「学園紛争」は、ほぼ終結した頃でしたが、学内には未だその余燼がくすぶっていました。そのような「政治の季節」のなかで、学生時代を過ごしました。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
高校時代に、在学していた高校での「差別事件」において、部落問題に本格的に出会いました。身分差別、部落問題とのつきあいは、それ以来、継続しています。身分と身分差別の研究は、私の歴史研究のテーマであると同時に、教育の課題でもあります。
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
大学を選ぶこと、専攻の学部・学科を選ぶに際しては、「将来何をしたいのか」という明確な意志が求められる、みなさんは、そのように考えているのではないでしょうか。そのように親や教師からも、言われ続けてきたのではないでしょうか。しかし、私は、そのようには考えません。「将来何をしたいのか」は大学に入ってから考えればよい、「将来何をしたいのか」を明確なものにするために大学に入る、私は、このように考えています。大学は、そのような人のための学びの場です。

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研究者学術情報データベース (ritsumei.ac.jp)