立命館大学 経営学部

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森 祐介准教授

Yusuke Mori

研究分野
企業が必要な部品などを自社で作るか、他社から買うかの選択問題
主な担当科目
企業論、ミクロ経済学、組織の経済学
Q1
現在の研究テーマ(または専門分野)について教えてください。
私は企業組織の経済分析、特に「企業の境界」と呼ばれるテーマを研究しています。
高校の政治経済の授業で「(神の)見えざる手」の話を聞いたことがあるでしょう。ざっくりいえば、「売り手と買い手が大勢いるような市場では、各々の自己利益最大化を目指した自由なやりとりが社会的に最も望ましい結果をもたらす」という話です。この話をふまえると、世の中のやりとりは全て市場で行われそうなものですが、現実のやりとりの多くは市場ではなく、企業内で行われているとの指摘があります。この指摘は、(1)市場が必ずしも万能ではないこと、(2)企業が市場でモノを売り買いするだけでなく、企業内の個人・部門にとってのやりとりの場として機能しうることの2つを示唆します。だとすると、「どんなやりとりが市場(あるいは企業)で行われるか」が気になりますよね。企業の境界はまさにそういった疑問にとりくむ研究テーマです。
Q2
どんな学生時代を送っていましたか。
運動とは無縁な高校までの学生生活から一転、大学ではアーチェリー部に所属しました。体育会で練習ノルマもそれなりに大変でしたが、気持ちの良い仲間に恵まれて楽しく活動していました。
勉学面では、ゼミ教育が母校の伝統だったこともあり、どうせならみっちり勉強しようと、高いコミットメントを要求されることで噂の「シビア」なゼミを選びました。ゼミは噂に違わぬ「シビア」さで、前述の部活動とも相まって、きりきり舞いしながらも充実感のある日々を送っていました。ちなみに、このときのゼミの同期の1人も今、同じキャンパスで教員をしています(学部は違いますけど)。世の中狭いものですね。
Q3
現在の専門分野を志した理由・研究者になったきっかけを教えてください。
とある学部授業で紹介された、企業の境界に関する未解決課題に不思議と心惹かれ、自分の手で解決したいと漠然と思ったのがきっかけです。そのあと、ゼミの指導教員に履修を勧められた大学院科目の内容が同未解決課題に関係する書籍の輪読だったり、その輪読書籍の著者で企業の境界研究の権威がノーベル経済学賞を受賞したり、と当初の漠然とした思いを強化・再認識させられるような出来事が相次ぎ、気がついたら「三度の飯より、企業の境界が好き」になっていました(笑)
Q4
高校生へメッセージをお願いします。
私は大学生のころ、大学受験予備校でチューターのアルバイトをしていました。受験を前にした焦りからか、「それは意味がなさそうだからやりたくない」とか、「こんなことに何の意味があるのか(わからないからやめたい)」といった類のことを口にする受験生の姿をよく目にしたものです。時間には限りがありますから、あらゆることにまんべんなく取り組むべきだという気は毛頭ありませんが、パッと見で意味の感じられないことを「要らないモノ」と断じて、切り捨ててしまうのは早計でしょう(自戒も込めて笑)。無意味に見えることにも、あとあと自然と明確な意義や価値が見いだされたりするものです。それらしく見える手軽な意味付けに踊らされることなく、ものごと1つ1つと真摯に向き合い、実りある日々を送られんことを願っています。

■おすすめの書籍や映画

「意外と会社は合理的」レイ・フィスマン、ティム・サリバン(著)、土方奈美(訳) 日本経済新聞出版


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