1998年度卒業論文集

「技術革新と現代社会」

刊行にあたって




 この春、卒業を迎える経営学部のわが兵藤ゼミの学生は、総勢26人を擁する大所帯でした。
 いつもながらの飲み会、そして大盛会のゼミOB会等々、賑やかに過ごした時間の経過のうちでも、 我々が成し遂げたことは意外なほどに大きいのではないだろうか。
 振り返ってみると、日本経済がまだ「バブル景気」を謳歌し、威勢の良い話しが幅を利かせていた のは昔の話。我々が大学に入った頃には経済は傾き、いまや戦後最大の不況のなかでの苦闘を強い られる現実である。
 けれども一方では、厳しい時代であればこそ、新しい科学技術や仕組みが注目され、脚光を浴びる という動きが顕著だったのも特徴である。なかでも、「金融ビックバン」に象徴されるように制度 改革・規制緩和の流れと、「ダイオキシン問題」に象徴される環境・自然保護に関する規制強化の 流れの分化には目を見張るものがあった。
 このような流れを如実に反映して、我々本年度4年生の卒業論文の主題には、情報化・ネットワー ク展開の意味、移動体通信産業や次世代自動車・ITSの動向、POSを利用したコンビニエンス ストア、あるいはまた住宅造りの進歩、等々、急変する産業技術、その経済システムへの影響につ いて取り上げたテーマが登場している。
 このような4年生各人の関心の幅の広さは、この1998年という年を後世あらためて振り返ると きの、格好の指標にもなるだろう。もちろん、それぞれの論文の内容についてはまだまだ食い足り ないところも少なくない。けれども、旺盛な問題関心は必ずや執筆者一人一人にとっての人生の大 きな主題として前向きに生かされていくものと信じている。

 1999年3月22日


目次


 ・テレビゲーム産業            芦野   亘  ・後悔しない住宅の建て方         有本  紳介  ・急成長を遂げた日本移動体通信業会    池田  憲司  ・ビール業界               井上  節夫  ・家庭用ゲーム機市場の発展の歴史と構造  小椋  宣長  ・自動車の大革命 〜次世代自動車・       ITSが迫る産業構造大転換〜  梶浦  明子  ・日本における商体系の電子化プロセス   草薙  雄一  ・災害国・日本の防災体制確立への道    熊井  啓介  ・移動体通信業界 〜NTTドコモvs     DDIセルラーグループ・IDO〜  佐々木 智宏  ・コンビニエンスストア          中島  真澄  ・木造住宅が衰退しない強みとは      村井  知仁  ・日本車におけるエンジンの技術革新    山田  剛豪  ・金融ビッグバンとは      〜日本版金融ビッグバン〜     渡辺  文人  ・ フィットネスクラブの       事業形態と経営戦略       松本   太  ・ ゲーム業界の発展の歴史と        今後の展望について      水内  将仁  ・ コンクリートの生産機械技術        〜戦後日本の発展〜      入江  臣夫         * 本文は兵藤研究室にてご覧下さい


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