兵藤ゼミの演習要項の紹介
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 教員紹介
 学生のみなさん! 来年度立ち上がる兵藤ゼミは17期生です。

 技術というものは、私たちの生活物資をつくり出すために欠かせないものです。とはいえ、 ときに私たちを取り巻く環境を破壊し、それどころか人工的構造物としての技術は脆くも壊れ、場合によって私 たちの生命を殺傷しかねません。こうした事態を招かないためには、技術を安全で確かなものにすべく、適正に マネジメントする必要があります。
 愛知県出身、東京生活を経て立命館赴任22年。趣味・遊興は、粋を集めた産業施設への訪問、メロディックな 音楽、素敵な景観の中で美味なる馳走を肴に一献、共に興じましょう。



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1)演習テーマ:現代ものづくり経営の根本問題を探り、未来志向型のソーシャル・イノベーションを学ぼう!

2)学生レポ−ト課題
 以下の課題項目について、課題項目番号@〜Bならびに小項目番号1)〜4)を付して順次書いてください。

 @志望理由:1)なぜこのゼミを志望するのかその理由、2)ゼミでやりたい研究テーマ、3)やってみたい具 体的なゼミ企画(工場見学・ゼミ合宿・ゼミ旅行など)、4)ゼミでのあなたの役割(貢献の仕方)について、 それぞれ書いてください。

 A自己紹介:1)これまでのキャリア形成(大学生生活/中高を含んでもよい)でとくに上げられる事柄、 自分の長所、2)どうキャリアアップしたいのか、卒業後の進路やライフデザインについて、紹介してください。

 Bあなたが興味・関心を持つ企業・事業体のこと:1)その企業・事業体の最近の社会的話題、2)どういった点 に関心を持ったのか、その選択理由について、分かりやすく説明してください。

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3)演習要項

1.研究内容
 皆さん、今注目すべきことは、21世紀の「ものづくり」が大きな転換点にさしかかっていることです。 近年の経済のグローバル化は、例えば東アジア市場の台頭に象徴される、冷戦後の国境をこえた新たな 市場経済の自由化が物語る経済の「世界的競争」を進展させています。それは製品の開発・製造の過剰競争 を生み出し、そのために品質管理がおろそかになり、欠陥商品のリコールどころか、トップマネジメントを 含む企業不祥事を引き起こすに到っています。

 また、20世紀以来の重化学工業化は地下資源依存のエネルギー多消費型の産業文明を展開させ、その結果 地球環境問題を招くだけでなく、資源枯渇による原燃料転換をせざるをえない段階に直面してもいます。

 いうならば、これまでのようにコスト・パフォーマンス(生産の効率性)がよければよいというのではなく、 生活環境や地球環境に適合した、これまでの枠組みとは異なった真に世界を豊かにする、安全で確かな技術が 求められているといえましょう。
 だが、これらの技術が開発されたにせよ、草の根から巻き起こる、未来志向型のソーシャル・イノベーション が広く展開され、私たちの生活の中に社会化されなくては意味がありません。

 本ゼミは、現代産業社会が抱えるその実態、ならびに今日の製造企業がとどまるところのない市場競合の中で 直面している、上述のような揺るがせにできない根本問題を探り、その上で産業社会の中長期的な展開方向、 個々の企業経営の持続性の条件やその行く末を考察することをミッションとしています。



2.ゼミの運営方法
 専門演習Tでは、グループを編成し、ものづくりのあり方やイノベーションについて製造業界の分析を行い、 プレゼン・討議により基礎的教養を身につけることを主眼とします。

 専門演習Uでは、グループごとに課題を設定し、調査・研究を行い、学内ゼミ大会に参加します。

 専門演習Vでは、これまでの蓄積を踏まえて個人研究を基本に卒業論文の計画、その中間発表を行います。

 専門演習Wでは、皆さん方の経営学部学生としての総決算ともいうべき卒業論文の本発表を行うと共に、 ゼミ生同士、互いに切磋琢磨し、卒業論文を完成させます。

 なお、本ゼミは企業活動の実際を知ることも重要な内容として位置づけています。例えば、自動車や食品、 生活資材の製造、宇治や東大阪の町工場、ビール製造等の工場見学、工房体験(清水焼、生八つ橋等)、また、 コンパやゼミ合宿・旅行・散策(高山、若狭、高雄、嵐山等)を多彩に企画します。その上でゼミ生同士の 人間的コミュニケーションを図り、楽しくかつ中身のある充実したゼミにしようと考えています。



3.使用テキスト
 参考になりそうなものを紹介しておきます。
 クレイトン・クリステンセン『イノベーションのジレンマ』翔泳社、2001年
 J.M.アッターバック著『イノベーション・ダイナミクス』有斐閣、1998年
 S.J.クライン著『イノベーション・スタイル』アグネ承風社、1992年
 S.オストリー&R.R.ネルソン著『テクノ・ナショナリズムの終焉』大村書店、1998年
 O.マイヤー&R.C.ポスト著『大量生産の社会史』東洋経済、1984年

 中村静治著『技術論入門』(有斐閣)、1977年
 兵藤友博ほか『科学・技術と社会を考える』ムイスリ出版、2011年

 吉田三千雄・藤田実編著『日本産業の構造転換と企業』新日本出版社、2005年
 坂井昭夫著『日米ハイテク摩擦と知的所有権』有斐閣、1994年
 中村靜治『戦後日本の技術革新』大月書店、1979年
 林・菰田編『技術革新と現代世界経済』ミネルヴァ書店、1993年

 大野耐一著『トヨタ生産方式』ダイヤモンド社、1978年
 藤本隆宏著『生産システムの進化論』有斐閣、1997年
 石倉洋子・藤田昌久・前田昇・金井一瀬・山崎朗著『日本の産業クラスター戦略』有斐閣、2003年

 R.ブーデリ『世界最強企業の研究戦略』日本経済新聞社、2001年
 R.ローゼンブルム&W.スペンサー『中央研究所の時代の終焉』日経BP社、1998年
 シルヴィア・オストリー/リチャード・R・ネルソン『テクノ・ナショナリズムの終焉』大村書店、1998年

 宮崎智彦著・『ガラパゴス化する日本の製造業』東洋経済新報社、2008年
 泉田亮輔『日本の電器産業 何が勝敗を分けるのか』日本経済新聞出版社、2013年
 中田行彦『シャープ「液晶敗戦」の教訓』実務教育出版、2015年
 J.ラートカウ・L.ハーン『原子力と人間の歴史』築地書館、2015年
 竹内敬二『電力の社会史 何が東京電力を生んだのか』朝日選書、2013年
 斉藤貴男『「東京電力」研究 排除の系譜』講談社、2012年

 藤本隆宏他『製品開発力』ダイヤモンド社、1993年
 奥彬著『バイオマス』日本評論社、2005年
 藤井絢子著『菜の花エコ革命』創森社、2004年
 J.アバテ著『インターネットをつくる』北大図書刊行会、2002年



4.前年度(ないしは直近の)ゼミの内容・運営
 兵藤ゼミのこれまでの活動、ゼミ生の研究テーマについては、「兵藤研究室」のウェブページ内の 「兵藤ゼミ専門演習」を参照して下さい。検索サイトで「兵藤研究室」で検索すればヒットします。


5.受講生に望むこと
 技術イノベーションをどれだけ地球環境・生活環境、また国際的な経営環境に適合したものにできるか、 企業の経営戦略は重要なポイントの一つです。これまで「ものづくり」にあまり関心を持っていなかったが、 製造企業の行く末や私たちの生活や世界のあり方を決定しかけない、技術イノベーションのあり方を学んで みようと考える学生を歓迎します。

 皆さんのエントリー・レポートや面談の模様に見られる「創意性」「積極性」「将来性」を選考基準とします。 いいかえるならば、よく考え、ガッツに、しなやかに行動し、未来を見据えて取り組む学生を求めています。

 技術と経営、生産システム論、生産技術論、技術革新論、技術移転論などの生産・技術関連の科目を積極的 に履修しましょう。


6.ゼミ面談
 個人研究室の扉に面談予約表を添付しておきますので、希望日時の時間帯にご自分の氏名を記入して下さい。
もちろん、指定された面談日当日でも受付しますが、アポをE−mailにて、とっていただけると有り難いです。




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