顧客満足論
−第五回 戦略としての顧客満足(1) 顧客満足をどのようにとらえるか(続)−
W 戦略的顧客満足の課題と対応(テキスト第3章)つづき
4.知覚矯正仮説と対応
(1)顧客満足はなにで決まるか
顧客満足はなにで決まるか・・・事前の期待と事後の評価との差で決まる
低い期待で高い評価ならいちばんよいが、じゃあ、事前の期待を下げておけばよいか?
・・・下げすぎるとそもそも買ってくれない
すると、「期待通り」でよいのか?・・・たいして期待せず、やっぱりそこそこだった、と
いうのも「期待通り」だが、それでいいのかなあ
(2)人の評価はゆがみがある
「多少不満」なくらいなら、人はむしろ自己正当化をはかる→「同化作用」
例)多少不満なクルマでも、他人に悪く言われると腹が立つ
結論的には、「実際より少し高めの期待をもってもらう」のがベストか?
5.顧客満足化の方法と統合戦略(p80〜81の図を参照)
(1)不満足空間への対応
a:本質機能・サービス〜改善戦略
b:表層機能・サービス〜無関心戦略
(2)満足空間への対応
a:本質機能・サービス〜維持戦略
b:表層機能・サービス〜表層機能強化戦略
(3)潜在的不満空間への対応
a:強化すべき機能・サービスの場合〜パフォーマンス・期待強化戦略
b:強化の必要ない場合〜低プライオリティ戦略
(4)潜在的満足空間への対応
a:将来必要な機能・サービスの場合〜期待上昇戦略
b:将来とも必要でない場合〜過剰削減戦略
6.顧客満足の実行と日常活動
戦略と実行活動の連動のために・・・適切な組織対応、コントロール(管理)システム
評価システム、などが必要
(1)権限委譲
「真実の瞬間」を充実させるために、顧客との接点に事業全体の主軸をおく
※サービス業に強く現れるが、メーカーにとっても他人事ではない
〜@メーカーでもサービスが重要になっている
A商品を送り出す「現場」の判断の重視
(2)組織対応
逆ピラミッド型組織作り・・・権限委譲を形にあらわす
(3)管理・評価システム
顧客満足、に焦点をあわせてこれらのシステム(さらには組織風土)を作る
例)ノードストローム百貨店
(4)組織ビジョン
「従業員満足(ES)」を高めることが顧客満足にも通じる
→従業員が自ら納得・満足できる高い社会的価値・意義付けを与えることの重要性
※トップはなにをすべきか
7.まとめ
@顧客満足をどのようにとらえるか
A顧客満足を実現する戦略的対応とは
B顧客満足を実現する組織のあり方とは