顧客満足論 質問への回答
第9回
 
 
<顧客満足活動のプロセス>
CS向上活動は、CS部が進めていけばいいのでしょうか?それとも全社的に行なうため、トップがリーダーシップを発揮して、実行していけばいいのでしょうか?
 断じて、トップのリーダーシップが必要です。
 
<CS調査>
CS調査も大事だとは思うが、顧客満足の実践は顧客の意識をよりどころとするだけではない、経営者および経営管理者による独創的な経営戦略が求められるのではないか。
 あたりまえです。調査結果は素材なのです。だから別途経営戦略論なり、マーケティング論なりの講義があるわけです。この講義で経営の全てを語っているわけではありません。
 
CS調査の方法についてはいろいろな方法があったと思いますが、インターネット上での顧客からのクレーム等の受付も1つの手法と考えてよいのですか?またどのような手法が他にあるのか知りたいです。
 クレームは貴重な資料です。他の方法については参考文献を参照してください。
 
アンケートの調査に関してですが、時と場合によって、内容を変える必要はないのですか。急いでいるときは、分量の多いアンケートには答えたくないですし、自分の要望がたくさんあれば、解答欄を含め丁寧に答えたいです。
 時と場合をよく考える必要があるのはもちろんです。街頭アンケートなどは項目を絞る必要があります。
 
CS調査で、手順を踏んで評価をするわけだが、その結果が悪ければ、理念の制定までさかのぼって考え直すということも考えられるのだろうか?
  もちろんその通りです。
 
実際に顧客に対する調査は適切というか、CSの向上につながっているのだろうか?(アンケートを親身になって応えるユーザーは少ないと思う)それよりもっと効果的な方法があるのだろうか?
 ここではアンケートの手法を主に紹介しましたが、このほかにインタビューなど多様な調査方法が実際には用いられています。
 
CSI調査とはどんな調査なのですか?
 参考文献を参照してください。
 
アンケートを何度か行なったのですが、思い通りの結果が得られませんでした。私たちは対象→項目→手法ではなく、手法→対象→項目という順で行なったのですが、それが失敗の結果につながったのでしょうか?
 それが全てではありませんが、その順序に問題があった可能性があります。アンケート設計のテキストがありますから、そうしたものを参照してください。
 
住宅販売において、実際に何年か住み続けて住居をモデルハウスとして見学できるキャンペーンがありますが、あれはCS調査を利用したものであると考えてよいのでしょうか?
 必ずしもそうかどうかはわかりません。
 
顧客満足調査の難しさが理解できたが、世の中には無駄なアンケートも多いと思った。どのような業種でも顧客満足度調査はしないよりは、したほうがいいのですか?
 無駄なアンケートをしないほうがよいのです。
 
ある授業で数値化でき、ある程度意見に偏りのあるアンケートには顧客の本当の意見を完全に得ることはできないと聞きました。本当のところどうなのでしょうか?
 指摘の意味がわかりませんが、アンケートだけで完全は得られないことは多いでしょう。
 
タイミングの話で時間が流れていくほどよりよい信頼を得ていることがあったとすると、購入後すぐには信頼がない訳である。このようなことがあるのに、どうして4〜5年たってから、信頼性調査を行なうのですか?やはり時間=信頼がなりたつからですか?
 ここではあくまでクルマの例を出しています。どのような調査をいつやるのかは、その商品の特性次第です。
 
テレビにおいてエンドユーザーは一般人であるが、販売店にもエンドユーザーと同じくらい重要性があると思うのですが、むしろ流通の流れの中では、どのユーザーもエンドユーザーと考えてはいけないのでしょうか?
 最終的にはエンドユーザーに売れるかどうか、です。
 
 
<アクションプランニング>
アクションプランを小さくはじめることによって、メリットはあるのですか?結果がわかりづらくなるのではないかと思いました。
 全体でいっきに導入して失敗すると傷が大きい、という意味です。
 
アクションプランニングの条件のところで、Cの遂行可能なことに、達成感がある(=比較的すぐに成果が出る)とありますが、CRMのように長期的な戦略の場合、その達成感はすぐに出るとは思わないのですが?
 一つ一つ小さなチェックポイントを設けて、成果を確認しながら進める必要があります。
 
 
<その他>
プレゼンでホテルを取り上げているのですが、ホテルの本質と表層がわかりません。ホテルの本質は、宿泊・宴会・飲食の三位一体なのでしょうか。
 そのホテル自体がどのようなコンセプトなのか、次第です。
 
顧客管理の話をいくつかなさっていましたが、このシステムは誰でもできるという手軽さはありますが、このシステムを導入したりするのにコストがかかってしまって“効率化”にはつながらないのではないのですか?
 効率化につながらないようなシステムを導入するとまずい、というだけでs。
 
昔働いていた焼肉屋にボクシングの辰吉がよく来ていた。店長はご機嫌をとっていたが、他の客はいい気しないのでは?と思っていたが、気に入られれば、「辰吉がよく来る店」となり売り上げUPにつながる。このようにつながるのなら、特別な個客に対してのあからさまな「ひいき」というのもありなのだろうか?
 「ひいき」にすることが他の顧客にある程度理解されるくらいの大物なら、ということになるでしょうね。
 
バイト先で封書でのダイレクトメールと、Eメールでのダイレクトメールを割引クーポン付で送付していますが、結果として封書の反応のほうがよいのですが、これからはネットでのダイレクトメールは伸びないのでしょうか?
 この事例だけをもってネットのDMはダメだ、と決めつけることはできませんが、現状では封書のほうが見てもらえる率が高い、ということはありうるでしょうね。それにメールのクーポンはプリントアウトするのが手間です。
 
2つの本を読んだのですが、1つには「お客の期待する以上のものを与えても無駄、お客様の求めるところを知る必要がある」とあり、もう1つは「ここまでしなければならないのか」と思うくらいお客が期待する以上のCSの内容が書かれていた。いったいどちらが正しいCS戦略なのですか?
 どっちも一般論として述べているなら間違いですね。
 
顧客の個人情報を守ろうという動きは、顧客生涯価値の作成の障害になりますね。企業も気を配らなければならなくなってきている動きなどはありますか?
 訴訟その他は起こり始めています。顧客のコミュニケーションがちゃんととれているかどうかがカギになてくるでhそう。
 
CS活動を始めて、目標が達成できなかったらどうしたらいいのでしょうか?それで売り上げがなかったら何かが間違っているのでしょうか?顧客満足と売り上げは直接に関係(関連)することですか?
 売上の推移にCSが直結するとは限りませんが、最終的には売上や利益で評価されることになるでしょう。