2003/07/17
顧客満足論
−第14回 まとめ−
1.この講義の狙いと、理解しておいてほしいこと
※基本的理解を、具体的にイメージできればよい。細かい知識の記憶に意味はない。
(1)なぜいま「顧客満足」なのか
・「顧客満足」が重視されるようになった経済的背景
・1970年代の「dissatisfaction」状況から90年代の「unsastisfaction」状況への変化
「不満への対応」から「新たな顧客満足の創造」へ
(2)顧客満足経営の追求
・表層機能・サービスと本質機能・サービスでの顧客満足充実のあり方の違い
・顧客の「知覚」のずれをどうとらえるか
・現状に対する評価と、どの方向へ進むべきかによって戦略的対応のあり方が異なる
・顧客満足を実現する組織のあり方
・サイエンス型経営とアート型経営における顧客満足のあり方の違い
(3)90年代型顧客満足のキーワード
・関係性マーケティング
・ソリューション満足
・CRM
2.顧客満足についてさらに学習を深めるために
(1)顧客満足重視の時代における経営のあり方
奥住正道『顧客社会−生活者中心の流通戦略』中公新書、1997年。
小売業を中心に、顧客と事業者との関係の変化を背景にした経営の転換方向を示す。
佐藤知恭『顧客ロイヤリティの経営−CSを超えるサービス・マネジメント』日本経済新聞社、2000年
実践的な展開では第一人者がCSで失敗しないための基本的な考え方を力説。必読。
(2)顧客満足の個別的な課題について
ダイヤモンド・ハーバードビジネス編集部編『顧客サービス戦略』ダイヤモンド社、2000年
〃 『「顧客学習」のマーケティング』同、1998年。
Harvard Business Review掲載の関連論文を集めて翻訳したもの。レベルが高い。
後者は特に「個客」戦略に焦点を当てている。
アクセンチュア『CRM 顧客はそこにいる』東洋経済新報社、2001年
Customer Relationship Managementについてのよくできたテキスト。
和田充夫『関係性マーケティングの構図』有斐閣、1998年。
関係性マーケティングについての詳論。
(3)How toを深める
佐野良夫『CS「顧客満足」の実際』日経文庫、1996年
コンパクトにまとめてある。
浅野紀夫『顧客満足度調査のノウハウ』かんき出版、1999年。
テキストはいろいろあるが、この本は「データのウソ」から話しが始まるのがおもしろい。
(4)その他
『DIAMONDハーバード・ビジネスレビュー』(月刊、ダイヤモンド社刊)
2001年11月号「T.レビットのマーケティング論」
「ドリルと穴」の話のもと、「マーケティング近視眼」新訳を掲載
2002年7月号「顧客戦略の本質」
CS経営の最新の課題を提示。ケース・スタディーも勉強になる