グループレポート質問シートへの解答
 
                                経済学部サービスマネジメントINS
                                      6月11日発表 牧野班
 
1. なぜ眼鏡をかけたのですか?また、そのメガネはこの日のために一緒に買いに行ったりしたのですか?
→シルバー産業についての発表だったので、その雰囲気をだそうと思い、眼鏡をかけることを提案しました。個人的なバイアスがかかっているかもしれませんが、年をとると老眼鏡をかけている人が多いですよね。本当はもっと老人っぽい格好をして登場しようと思ったのですが、あまりにもふざけすぎているということでやめました。また、眼鏡は班の一人が代表して100円ショップ『ダイソー』で買いました。だからあの眼鏡は一個100円です。
 
2. ジジババIT化の具体案としての情報関連機器とは、どういったものがあるのか?
→具体的なプランを立てて、高齢者のIT化商品を打ち出そうという企業はまだ少ないというのが現状です。なぜなら、今のところ企業がターゲットとしている層は若年層あるいはOL・サラリーマン層だからです。しかし、やがてそのセグメントも飽和状態に達するでしょう。そうなってくると残るターゲットは高齢者層。ここで間違ってはいけないことは、「じいちゃんばあちゃんは機会に弱い」という固定概念を持つことです。そう思っている限りは本当の意味での高齢者IT化が促されることはないでしょう。誰にでも使えるインテリジェンスな情報機器を売り出さなくてはいけません。例えば違う地域の老人ホームどうしの高齢者が、パソコンの画面上あるいはポータブルな情報機器で簡単にコミュニケーションを取れるというようなコンテンツが生まれるとおもしろいですね。
 
3. 高齢社会に対するビジネスはまだまだ行き届いてないと思います。数年前に亡くなった祖母がずっと寝たっきりだったので、とても身近な問題です。今回プレゼンをきいて思ったのは、祖父や祖母たちのような高齢者を「顧客」→「個客」として考えるのは“満足”につながるようですが、高齢者のことで一番満足したいのは、その家族だと思います。高齢者は法律でも制限能力者と位置付けられることもあります。高齢者を一番に支えるのが家族です。そうなると、高齢者が働くことやダンスをすること、自立や自信をつけるために大事なことかもしれませんが、家族は心配でたまりません。今回のプレゼンの考えでは、少し安易だと思います。“うれし、たのしい”ではシルバービジネスは成り立つとは思えません。このように、家族や人の心にかかわる深く難しい問題だとしてもCSを追求してビジネスになると考えられますか?
→おっしゃる通りです。シルバー産業を考える上で黙視してはならないのが、その家族の存在であり、周りを取り巻く環境であります。“うれし、たのしい”だけではシルバービジネスは成り立ちません。しかし、「高齢者の世話はその家族がやる。各家庭でそれぞれ面倒を見てください」では誰が満足するでしょうか?今までの社会ではそれが一般的になっています。人間は自己実現のために、その生涯を送ろうとします。なろうと思って寝たきりになる人はいません。自分が寝たきりになった時のことを考えると、ただ危険だからといってベッドに縛り付けておかれたらどう感じるでしょう?わたしたちは、安全でしかも本人や家族に負担がかからないようなサービスを提供できるような企業・組織があれば、ビジネスとして成り立つと考えられます。人の心にうったえかける深く難しい問題だからこそ、ビジネスとして心理学的な分野からもアプローチできるような柔軟な思考がわたしたちに必要なんだと思います。
 
4. 高齢者の感じる顧客満足と、若者や中高年層の感じる顧客満足は違うと思いますか?
→基本的には違うと思います。若者や中高年層にとっては満足できるよなモノ製品・サービス商品が、高齢者にとっては決して満足のいくものではないということもしばしばです。しかし、顧客満足とは、本来個々人によって感じ方が違うもの。ですから、単に若者層・中高年層・高齢者層というふうに年齢で簡単に分けてしまうような考え方はもう無くなっていくと思います。つまり、どんなヒトにでも満足のいくモノやサービスを提供することが、企業・組織にとっての究極の目標になっていくのではないでしょうか。
 
5. 高齢者の潜在的不満足空間で、高齢者・身体障害者向け設備の充実が挙げられていましたが、僕は潜在的ではなく、明白な不満足空間だと思いますが、何故潜在的不満足空間なんですか?
→潜在的不満足空間とは、教科書によれば、顧客の期待と企業のパフォーマンスは低いが、将来的に満足上昇の鍵になると予想できるサービスのことを指します。これを高齢者・身体障害者向け設備の充実に当てはめて考えると、現代社会においては、企業のパフォーマンスは徐々にではあるが高まりつつある傾向にあり、顧客の期待も高まりつつある状態にあります。つまり、満足空間への移行が可能なサービスであり、わたしたちはこれを潜在的不満足空間に置きました。もちろん明白な不満足空間だと感じる人もいると思いますが、現在の市場環境に照らし合わせて考えた結果、このような結論に至っている次第です。
 
6. 「ジジババIT化」とか、ジジィとかババァとかいう言葉は新聞や雑誌などでも使われているのか?(私は目にした事がないので)その言葉にすっごく反感を覚えましたが、どのような意図で使ったのか教えてほしい。(世間一般で当たり前の言葉であったのなら、知識不足ですいません)
→新聞でこのような表記がされているのは見たことがありません。雑誌はモラルの幅が広いので、使われているかもしれません。わたしたちがジジィとかババァとかいう言葉を敢えて使ったのには理由が2つあります。ひとつめは、「お年寄り」「老人」などの言葉にはある意味特別視されたような印象があり、それらの言葉を使うのなら「じいちゃんばあちゃん」「ジジババ」など、日常的に使われている言葉を使おうということになったからです。ふたつめは、レジュメに載せる際、できるだけ読みやすく、見やすく、かつ印象に残るような言葉にしようということで、カタカナ表記にしようと決まったからです。発表を聴いてもらっているのでわかると思いますが、プレゼンの時には「ジジババ」ではなく「じいちゃんばあちゃん」という言葉を使いました。したがって、ジジィとかババァとかいう言葉には、わたしたちにとっては敬意を込めた親しみやすいという意味をこめて使った次第であり、不快感を与えてしまったのなら、この場をかりてお詫びいたします。
 
7. 内容はすごく面白かったと思う。今後新しく立ち上げるとしたら、具体的にどのようなビジネスが考えられるでしょうか?
→ありがとうございます。シルバー産業においてこれから注目されていくと思われるビジネスは数限りなくあると思います。具体的に言えば、東南アジアや太平洋の島々に無造作に残る太平洋戦争期のゼロ戦や陸軍戦車をみて周るツアー(これも賛否両論あると思いますが…)やおじいちゃんおばあちゃんのためのお見合い企画、高齢者が持っている細かい手作業のスキルなどを活かした地域工芸品や限定商品の販売などが挙げられるのではないでしょうか。ほかにも福祉・医療関係のビジネスや古いものをリペアして新たなものを作り上げるビジネスなど、その可能性は底知れないと思われます