2000/04/07
 
 
顧客満足論
−第1回 「顧客満足」の時代−
 
 
 
0.受講ガイダンス
(0)教員自己紹介
  近藤 宏一 立命館大学経営学部助教授(34歳、独身)
        専門:サービス・マネジメント論、交通経営論
        メールアドレス kondok@ba.ritsumei.ac.jp
 
(1)インスティテュートのカリキュラムのなかでの講義の位置づけ
 ・サービス業を中心としたマネジメントの基礎理論を学ぶ
 ・「顧客満足」という考え方をリアリティのあるものとして学生自身の手で認識する。
 
(2)スケジュール →講義概要参照
 
(3)進め方
 講義(第1〜8回、14回を予定)
   インタラクティブな講義にするため、毎回感想や質問を書いて提出してもらう。
   テキストを参照しながら、講義はレジュメをもとに行う。
    ※レジュメは教室以外では配布しないが、下記のwebsiteに掲載する
      http://www.ritsumei.ac.jp/ba/~kondok/cs/c_index.htm
   原則として、それらの感想や質問に対しては翌週の講義の最初にコメントする。
 受講生のレポート発表と質疑(第9〜13回を予定)
   テーマ:次のいずれか @すぐれた顧客満足の実践についての事例報告
              A顧客満足について問題のあるケースについての改善提案
   希望するメンバーでグループを作り、調査してレジュメなどを用いて発表する。
   その際には基本的に講義全体を受講生のグループが運営する。
    (各グループの代表者が全体のスケジュールを決定、講義ごとの運営、発表、司会など
     それぞれを分担して行う)
 
(4)試験
 記述式が中心。テキスト・参考文献・ノート持ち込み可の予定。
 
(5)評価(案
  配点:試験           70点満点
     出席(感想レポート提出) 10点(5回未満ゼロ、5〜9回:5点、11回以上:10点)
     レポート発表       20点(受講生による評価)
      ※レポート発表に参加できない者は別途個人レポートを課す。どちらも行わなかった
       場合は単位を与えない。個人レポートの内容、評価基準受講生と協議して決定。  
  評価:A:80点以上 B:70点以上 C:60点以上 D:60点未満
   ※この案についての意見を今日は書いて提出して欲しい。それをもとづく受講生との討議に
    よって評価方法は確定する。
 
 
1.「顧客満足」のイメージ
 
(1)学生の持つ「顧客満足」のイメージは?
 
 どれが正しいと思う?
  @親切ていねいに接客する。
  A接客されるとうるさいと思うお客が最近では多いので、なるべくお客には近づかない。
  B便利になることが重要なので、インターネットの通信販売が広がれば、店舗はいらなくなる。
  C「棚の売り場はどこか」と聞かれたら、お客の手間を省くためすぐに棚の売り場へ案内する。
Dお客様は神様である
 
(2)「顧客満足」への誤解
 @90年代前半の「CSブーム」
    スローガンとしての「顧客第一主義」の広がり
    従業員の士気向上のための方策としての「CS運動」
 A「顧客満足」は経営理念か
    経営に対する考えの転換を迫るある種の「哲学」としての側面
     ・・・確かに「理念」の面はある
 
 
 
2.企業主導から顧客主導へ
 
(1)生産性追求の時代
 戦後復興期=「いかにつくるか」
 
(2)セールスの時代
 高度成長期=「いかに売るか」
 
(3)マーケティングの時代
 「需要を作り出す」
 
(4)CS(Customer Satisfaction)の時代
 消費者が選択する時代 
  ※(1)〜(3)は、消費者が十分に情報をもたず、また判断力も不十分だった
   現在は消費者が十分な情報と判断力を持つ時代である