2001/05/07
顧客満足論Q&A−第3回(4/23)分−
1.講義の内容について
1 時代の変化は物を作るーたくさん作るー新しいものを作るとなり、現代は満足する。サービスのついて物を作る時代でなくてはいけない。そのためのマーケティングが必要であると思うが、その先の時代はどうなるのだろう?
2 何十年代と言う記述はそのまま日本にも当てはまるのか?
3 90年代はゼロをプラスにもっていく時代と言うことだが、これより上のレベルはある?それとも最初のほうに言っていたように顧客満足があたり前になると言う時代に突入していくのだろうか?
すでに「顧客満足が当たり前」になりつつあります。ただ、実際にはそのことをいわば知識としては知っていても、理論的・実践的にはわかっていないところが少なくありません。この講義はまさにそのためにあるのです。
4 70年代のDISSATISFACTIONと90年代のUNSATISFACTIONでは、やはり、90年代のUNSATISFACTIONのほうがまだプラスであると考えてよいのだろうか?90年代の具体例は?
「まだプラス」とはどういう意味でしょうか。復習しておくと
dissatisfabction:「マイナス」の状態
unsatisfaction:「ゼロ」の状態
5 70年代に社会を視野に入れる必要性が認識され、導入されたのになぜ80年代には再びその考えが失われ、競争優位による顧客満足と理解されたのか?資本主義の過剰な競争原理と企業の「顧客満足」の捕らえ方がずれたことが原因?
日市場の拡大がほぼ限界に達して、主要な製品やサービスについてはほぼ「成熟期」に入ったわけです。それによって、企業活動の焦点が市場の拡大をめざして幅広い支持を得ることから、既存市場におけるシェア*1の奪い合いというやや余裕のないものに転換したことがあります。もちろん、反社会的なことをやることが再び容認されるようになったわけではありません。
6 競争に勝ったイコール顧客満足の達成? 結局、ユニクロやGAPは市場シェアや利潤重視だと思うし、しかし、現代の企業の勝ち組みに入ってると思うが、80年代と変化してないのでは? あきらめの状態と怒りの状態って似てない?
市場シェアや利潤が重視されているのは確かですが、ユニクロにせよGAPにせよ、それまで既存企業とは異なった顧客の視点からの発想があったからこその成長であるといえます。
あきらめと怒りはだいぶ違います。あきらめは消極的なアクションしか引き起こしませんが、怒りは積極的なアクションを引き起こします。
7 50年代にまだ顧客満足と言う考え方に貧しかったのは、今より50年代のほうが経済レベルが低かったからだろうか?
8 DISSATISFACTIONとUNSATIASFACTIONの明確の違いは?「顧客満足」が10年ごとに変遷されていくのだろうか?今の2000年代はどんな年代なのか、今はまだわからないのだろうか?今後はどのような発展していくと考えられるのか?
9 顧客志向とはリピーターを作ると言うこと?
10 UNSATISFACTIONのプラスにするために、肉団子の話で、プラス3個渡したらプラスになるのでは?
11 90年代の顧客満足論で顧客の行動「仕方なく」「あきらめ」の部分に効果的な解決策は本当にないのか? そのときのUNSATISFACTIONはどうしてあきらめが拡大につながるのか?
12 不満がある方がそれを改善することで、拡大とはならないのだろうか?改善対象がわかりやすく、「満足でない」より拡大する可能性は高いのではないだろうか?
13 顧客が何を求めているのかはっきりしないので、戦略がずれていたら大失敗になると言うことなの?
14 どうのようにDISSATISFACTIONからUNSATISFACTIONへ変化していった?
70年代の問題提起を受けて、企業側でもdissatisfactionを生み出さないことについてはそれなりに取り組んできました。その結果、「不満」という状態が恒常的に起こることは少なくなってきたわけです(ミスなどに起因するものは別として)。その結果消費者は従来は「不満がない」ことを重視してきたのに対して、より積極的に自分の求めるものを消費しようとするようになってきたのですが、それにまだ十分にこたえられていない、ということがあるのです。
15 苦情に対する従業員や企業の対応しだいで、不満というマイナスの状態からプラスに持っていくことは可能なのではないだろうか?現在も90年代のUNSATISFACTIONの時代が続いているのだろうか?
16 マイナスー怒りーゼロ ここで維持するのではなくさらにプラスに持っていけばUNSATISFACTIONからプラスより、サービス向上のGAPが大きくよく感じないのだろうか?
17 80年代の「競争に勝った顧客満足の達成」という認識はその後どうのような理由、経緯から、「誤り」とされたのだあろうか? それにはどんな欠点があるのだろうか?
18 顧客満足の測定評価の仕方は?少数でもその会社の顧客すべてが満足していれば顧客満足達成なのか?社会が納得することが必要なのか?
19 不満を解決する方法を見つけるのは簡単だが、満足ではないと言うあいまいなものをプラスに持っていくのは難しいことなのではないか?
20 顧客満足とは、結局、企業のよりよいブランドイメージ作りの戦略の一環なのであろうか、それとも本当に顧客の立場から考えて作られたものなのであろうか?
ブランドイメージづくり等という表面的なものではありません。最初の講義で述べたように、「顧客志向でなければ生き残れない」のです。ただしこの場合、「企業が生き残るためにこそ」の顧客志向であり、本当に顧客の立場から「だけ」考えているわけではありません。
21 CSブームのときの勘違いに起こったような現場でのCSは顧客満足には入らないのだろうか?そのようなものも信頼などに繋がり、戦略的ではないにしろ、顧客満足につながるのではないだろうか?
現場的な意味での顧客対応の強化は悪いことではありません。しかし、第一に、戦略的に位置づけられていないものはばらばらになりがちで、それはかえって逆効果を生むこと、第二に、従業員にとってきちんと位置づけられない(単なる精神運動になる)ことが問題です。
22 世界的見て顧客満足はどのように違うのか?違うとしたらどのような政策があったのか?
23 戦略的顧客満足はどのような企業が取り入れ、成功した企業とは?
24 人は皆ひとつでも良質を求めると思うが、なぜ顧客側は「満足でない」状態で収まっているのだろうか?
25 お客様センターと顧客サービスの違いは?
26 ソーシャルマーケティングの話しもっと聞きたい。
27 環境に関して戦略的顧客満足とはどういうもの?
28 「交換としてのマーケティング」とは?先生はどのような異論を持っているの?
嶋口氏はここで、交換によって双方の満足が上昇することをマーケティングの社会機能として説明してい、「交換を通じて満足を高める」ことをマーケティングの本質としています。これは結局、交換の中で「価値が増大する」という理解であるといえます。これに対してわたしは交換はあくまで価値(マルクス経済学でいう交換価値)が等しい場合に行われると考えています。交換によって売り手と買い手の双方が満足を得るのは、それぞれがもっていない(またはたりない)質の価値(同じく使用価値)が交換されるからだと考えるべきでしょう。交換価値が等しいのでなければなぜ交換が可能になるのか説明が付かないのです。また、このように考えないと、「顧客のニーズまたはウォンツを満たす」ことを通じて顧客満足を実現する、という顧客満足の考え方もずれてきかねません。。
29 顧客創造イコールマーケティング?
30 顧客満足のためのマーケティング?顧客って個人?企業?
31 戦略と戦術の違いは?
32 接客をする場合での顧客満足についてもっと聞きたい。
33 UNSATISFACTIONについてもっと説明して、例ももっとあげて、たとえば、新しい洗濯機を買ったけど、ガーガーうるさくて困っているような状態?
34 70年代もUNSATISFACTIONはなかったのか?また90年代にDISSATISFACTIONはなかったのか?
35 牛丼の値下げ競争について、吉野家とすき家は「期間限定」のサービスだったが、あれは一時的な売上を狙ったものなのか?それとももっと大きな目的があったのか?
36 DISSATISFACTIONを沈静化してゼロに戻す場合、結構損害が乗じる場合もあり、なかなか難しいのではないだろうか?
37 チャネルイコール流通のルートと言うことで、今ユニクロなど、ルートを省いてることで、低価格で売り出しているが、これは顧客満足つながっているのだろうか?
38 アンサティスファクションについて、企業の価格設定にも顧客満足に通じるのだろうか?たとえば、航空運賃とか、これまでは不満なないが仕方なく乗っていたのが最近は価格自由になって価格によって満足させる点。
39 笑顔や客との会話などが時代遅れな顧客満足戦略なの?
40 たとえば、マクドナルドにきたお客さんは早くしてほしいとかがあると思うので、出来上がり間でお待たせをしているようでは顧客満足にはなっていないの?顧客満足にするにはその店のコンセプトの確立のみならず、他のサービスでお客さんを満足させた上で成り立つのだろうか?
41 お客さんアンケートというのが、よくあるが、あれは表面的なものでなく、戦略的顧客満足にあたるものだと思うが、やはり接客部分だけなのだろうか?
42 最近価格破壊のような戦略をとっている企業が見られるが、これは最終的に商品の質を落とし、企業イメージをも落としているような気がするが、どうだろう?
2 その他
1 評価は先生が決めたらいい(多数)
2 これ以上評価の事で事業の時間を割くのをやめてほしい。
わたしは、みなさんに講義の主体者になってほしいと思っています。評価の問題でみなさんと議論しているのは、自らがどのようなものとしてこの講義をとらえるのか、という問題だからです。わたしは、私の知識を切り売りしてその量で評価するようなことをするつもりはないのです。
3 四回生特別扱いには同意、反対の意見両方
4 私語に何とかしてほしい。特に男性のひそひそ声
5 テストだけでC取れるようにしてほしい。
6 クラブ試合で出席できない生徒の考慮はしてくれる?
7 出席点、レポート、発表それぞれの点数を上げてほしい意見。
8 グループレポートのレベルを明確にしてほしい、人数が多ければ量も増やすべき?
9 プレゼンのグループ編成の上限人数は?2人以下はどうしてもだめ?
10 4回生レポートとは?課題発表はいつ?
評価については依然議論がわかれているので、グループレポートの評価基準と併せてグループの代表者会議で決めたいと思います。
*1「シェア」:市場の中で、その企業あるいはその製品が占める割合、比重。例)「キリンビールは以前はビール市場で圧倒的なシェアを誇っていた。」