キーワードの補足
 
第3〜4回 経営戦略とマーケティング
 
2.マーケティング戦略の特徴と構成
(6)マーケティング・マネジメントとその基本コンセプト(追加)
 マーケティングを、どのような方向性で行うのかというコンセプトの設計も、マーケティング戦略のうえで重要な問題である。これが、マーケティング・マネジメント*1戦略の基本となる。コンセプトは主に5つあり、それぞれどのように考えるのか、によって企業などの活動の課題も違ってくる。
   @生産指向:顧客は何よりも安価で入手しやすい製品を求めると考える
         生産と流通の効率化が最大の課題。
   A製品指向:顧客は最高の品質の製品を求めると考える
         新製品開発や改良が最大の課題
   B販売指向:なによりも販売しなければ組織は存続発展しないと考える
         販売の効率化と強化が最大の課題
   Cマーケティング指向:顧客のニーズやウォンツを知り、それに応えるのが組織の課題
              と考える
   D社会指向:顧客のニーズやウォンツを満たすだけでなく、公共の利益の維持・増進が
         必要であると考える
 
3.戦略的マーケティングと事業ドメイン
(1)マーケティング近視眼
レヴィット:アメリカのマーケティング研究者。第二次世界大戦後急速に進んだアメリカ大陸横断鉄道の衰退を、自動車や航空機との競争に敗れたのではなく、事業ドメインの設定を新しい時代に即して再定義できなかったからだと指摘した。
コーポレート・アイデンティティ(CI):企業の基本目標を内外に示す指針。事業の定義などを鮮明に示すものである必要が強調される。
 
4.マーケティング戦略とマーケティング・リサーチ(追加)
 実際にマーケティング戦略を展開する上では、マーケティングに関わる意思決定を行うために、マーケティング上の諸問題や情報に関して必要となる情報を明らかにし、その収集・分析・評価を行うマーケティング・リサーチが必要。
 分析を行うのは下記のような点である
   ・経営環境
   ・製品
   ・価格
   ・流通
   ・コミュニケーション
   ・消費者行動
 ただし、消費者行動の今後を予測するのは難しいことに留意。
 
第4回 市場と消費者行動
 
1.消費者市場と消費者行動のモデル
(1)市場のとらえかた
 A市場の種類 
ビジネス市場に対するマーケティングを、インダストリアルマーケティングなどという
 
(2)購買に影響を与える要因
 B個人的要因
    ライフスタイル:個人の活動や意見、関心という形で表される生活のパターン
 
第9回 製品戦略(続き)
 
2.プロダクト・ライフサイクル
(1)導入期
   利益に関わって、どのような価格設定をするのかが問題になる
    ・上澄み吸収価格戦略:価格にこだわらない顧客へ高価格で販売し、費用を回収する
    ・浸透価格:低価格で市場への浸透をはかる
 
第10回 価格戦略
 
2.価格設定の方法
(1)コスト志向型価格設定法
   製品のコストをすべて各製品に配分して賦課する考え方
   コストを、変動費(直接原材料費、直接労務費など、生産量によって変動する)だけでなく
   固定費(一般管理費、販売費など、生産量に依存しない)をも含んで算出する。
   この考え方でもいくつかの方法がある。
 
3.価格管理の方法
寡占企業はメーカー希望小売価格(今日では一部の商品を除き「定価」を定めることは禁止されている。このためメーカーは自らの設定した標準的な価格をこのように表示している)などを設定するが、それが貫徹できないもとでも、多様な手段によって価格についての主導権を握ろうとする。それが価格管理の手法である。
 
第11回 流通システムとチャネル戦略
 
1.流通チャネル
(1)流通チャネルとマーケティングチャネル
多数の生産者と多数の消費者が直接取引しようとすると、取引回数が増え煩雑になる。このため、取引回数を合理化しようとして中間機関が必要になると言われる=取引総数最小化の原理
 
 
第12回 コミュニケーション戦略と販売促進
 
2.プロモーション戦略
(5)プロモーション・ミックスの決定
   プロモーション・ミックスを考える上で、4つの点に注意する必要がある
    @製品のタイプ
    A製品周期段階(プロダクトライフサイクルのどこにあるか)
    B企業規模
    Cプロモーション標的
       消費者に対して:プル戦略(ニーズなどを「引き出す」)
                  広告やセールス・プロモーションが主
       商業者に対して:プッシュ戦略(製品を「押し込む」)
                  小売業者などへの販売の動機付け。POP広告の提供など
3.広告
(2)広告の種類
   いろいろな広告がある
    基本的需要広告
    選択的需要広告
    協同広告:数社が協同して広告を展開するもの。
    比較広告:競争製品などとの比較を通じて、自社製品の優位性をしめすもの

*1マーケティング・マネジメント:アメリカ・マーケティング協会の定義では、「顧客と組織(企業など)の目的を満たすような交換(取引など)を実現するために、商品やサービス、アイディアに関するコンセプトを構想し(つまり、製品政策を策定し)、価格設定、プロモーション、流通を計画し、実行するプロセスである」(カッコ内は補足)とされる。