2002/04/10
 
 
 
 
サービス・マネジメント論
−第1回 なぜいまサービスなのかー
 
 
 
 
 
0.受講ガイダンス
 
(0)教員自己紹介
  近藤 宏一 立命館大学経営学部助教授(35歳、独身)
        専門:サービス・マネジメント論、交通経営論
        メールアドレス kondok@ba.ritsumei.ac.jp
 
(1)インスティテュートのカリキュラムのなかでの講義の位置づけ
 ・サービス・マネジメントの基礎理論を学ぶ
 ・多様なサービス業の概観を受講生自身の手で把握する
 
(2)スケジュール 
1.イントロダクション
  @講義の進め方についての説明と討議
  Aなぜいま「サービス」なのか
2.すぐれたサービスとは−具体的ケースから
3.サービスの基本的特徴
  @サービスの基本的特徴
  Aサービスの構成要素
  B「もの」とサービスの関係
4.サービス・マネジメントとはなにか
  @サービス・マネジメントの誕生
  Aサービス・マネジメントの基本的考え方
  B「顧客」とは何か
5.サービス・マネジメント・システム(1) セグメンテーションとコンセプト
6.       〃        (2) サービス・デリバリー、イメージ、その他
7.サービス・マネジメントの展開(1)顧客ロイヤリティ、従業員満足ほか
8.       〃      (2)サービスの品質、価格ほか
9.       〃      (3)非営利・公共組織のサービス・マネジメント
10〜13. 各種のサービス業とサービス・マネジメント
14.まとめ
 
(3)進め方
 講義(第1〜8回、14回を予定)
   インタラクティブな講義にするため、毎回感想や質問を書いて提出してもらう。
   テキストを参照しながら、講義はレジュメをもとに行う。
    ※レジュメはその回の分しか配布しないが、webCTに掲載する
   原則として、それらの感想や質問に対しては翌週の講義の最初にコメントする。
 受講生のレポート発表と質疑(第9〜13回を予定)
   テーマ:日本における各種のサービス業の現状とサービス・マネジメントの課題
   希望するサービス業の分野ごとにグループを作り、調査してレジュメまたはpower pointを
   用いて発表する。グループは第3回講義で登録。
   その際には基本的に講義全体を受講生のグループが運営する。
    (各グループの代表者が全体のスケジュールを決定、講義ごとの運営、発表、司会など
     それぞれを分担して行う)
 
(4)試験
 記述式が中心。テキスト・参考文献・ノート持ち込み可の予定。
 
(5)評価(案
  配点:試験           70点満点
     出席(感想レポート提出) 10点(5回未満ゼロ、5〜9回:5点、11回以上:10点)
     レポート発表       20点(受講生による評価)
      ※レポート発表に参加できない者は別途個人レポートを課す。どちらも行わなかった
       場合は単位を与えない。個人レポートの内容、評価基準についても受講生と協議す
       る。
  評価:A+:90点以上 A:80点以上 B:70点以上 C:60点以上 D:60点未満
 
(6)参考文献など
 講義概要記載のもののほか、以下の文献の内容は講義と密接に関連している
・近藤隆雄著『サービス・マネジメント入門』NTT出版、1998年。
・近藤宏一「サービス・マネジメント論の枠組みと課題」、『立命館経営学』第35巻第4号、199 6年。
・近藤宏一「サービス・マネジメント論における『サービス』概念の検討」、『立命館経営学』 第37巻第4号、1998年。
 また、新聞では「日経流通新聞」にサービス業関係の記事は多く出るので、目を通すとよい。
 
 
1.なぜいまサービスなのか
 
(1)サービス業がしめる比重が非常に大きくなっている
    キーワードは「外部化」
A)生活の変貌
・高齢化:
・女性の社会進出、家庭のあり方の変化
・健康志向
・環境意識の高まり
・長時間勤務、長距離通勤の常態化
 
B)産業のあり方の変化
・外部化〜情報化、環境志向、国際化などへの対応
   ex)環境監査、廃棄物処理
・いわゆる「リストラ」
   ex)経理部門は事務処理会社に
・ベンチャーなど多様な事業のあり方がひろがる
   ex)秘書つき賃貸オフィス
 
(2)さまざまな事業活動にサービスの発想が求められている
・「作り手」の発想から「受け手」の発想へ=「顧客志向」
   「ドリルを買う客はドリルがほしいのではない、穴がほしいのだ」
・国際競争、規制緩和
  さまざまなサービス業の海外からの参入 
  規制緩和によって新規参入が可能に 
    →従来にない発想が必要に
・消費者・市民の意識の高まり
 
2.「よいサービス」とは
 〜日常用語としての「サービス」と科学としての「サービス」
 
(1)「よいサービス」のイメージ
 @受講生の考える「よいサービス」とは
 
(2)日本語の「サービス」にはいろんな意味があるが
@態度的用法
A精神的用法
B犠牲的用法
C機能的用法
   @〜Bは、科学の対象としてのサービスではない。
プレゼンテーション要項
 
<概要>
任意のメンバーでグループを編成し、サービス・マネジメント論の講義をうけて、下記の内容について調査研究の上第10-13回の講義時間に5〜10分程度のプレゼンテーションを行う。
※発表日の1週間前までには内容を近藤に提出する。修正を求めることがある。
<プレゼンテーション内容>
   次のいずれかのサービス業をとりあげ、下記の6点を調べ、報告する。
    業種群
     レジャー・観光系:ホテル、テーマパーク、アミューズメント施設、旅行代理店
     流通系     :百貨店、スーパー、コンビニ、衣料品チェーン、ドラッグストア
     交通・物流系  :鉄道、航空、バス、タクシー、宅配便、海運
     スポーツ系   :プロ野球、Jリーグ、フィットネスクラブ、スポーツ用品店
     医療・福祉系  :病院、介護サービス、老人ホーム、障害者福祉施設
     飲食系     :ファミレス、カフェ、持ち帰り弁当、デリバリー(宅配)
     その他     :自治体、会計事務所、教育(大学、専門学校、予備校)
    調べる点
    ・事業の規模(市場規模、企業数、従業員数、売り上げなど)
    ・どんなサービスを提供しているのか
    ・どのようなセグメントに、どのようなコンセプトでアプローチしているのか
    ・現在の課題はどのようなものか
    ・主な企業にはどのようなものがあるのか
    ・特徴あるまたは優れたサービスを提供している企業の具体例
<グループの編成>
自主的なグループ編成を基本とし、3〜6人を原則とする。2人以下しか組織できなかった者は、適宜よせあつめてグループを編成する。7人以上のグループは分割する。
<グループの登録>
グループを4/24の講義で登録する。希望する業界が重複した場合は調整する。
<プレゼンテーションの運営>
プレゼンテーションの運営方法、発表の形態、評価方法などについては各グループ代表者で協議して決定し、受講生にはかる。
<プレゼンテーションの形式>
   PowerPointの利用など形式は問わないが、必ずレジュメを準備すること。