2003年4月23日
 
サービス・マネジメント論 質問への回答
(第2回分)
 
サービス
・サービスとは企業にとって、顧客獲得だけに考えられたものなのか?
・サービスの本質がどこからどこまでかわからない。
・品質の良いものを造ることはサービス活動になるか?
・飲食業はサービス業なのでしょうか・
サービスの定義から考えてみてください。
 
・製造業のような消費者が直接みえないような産業のサービスとはどのようなものか?
製造業においても、たとえばパソコンメーカーのサポート部門のように、製品に付随してはいるがそれだけをとりあげればサービスとして考えられる活動があり、この部分についてはサービスの枠組みで考えることができます。また、「ドリルを買いに来た人はドリルがほしいわけではない。穴がほしいのだ」というエピソードからすれば、製造業であってもサービス活動との関係で自らの事業を考えなければならないともいえます。」
 
・規制緩和により、今までないサービス業が海外から参入するとあったが、具体的には?
 また、その理由は日本のサービス業が海外から劣っているためか?
日本のサービス業が一般に劣っているわけではありません。しかし、日本ではこれまであまり展開されてこなかったサービス事業が海外にはあり、そうしたものが日本に進出してきつつあります。また、例えばボーダフォンがJフォンを買収したように、グローバル展開しているサービス企業が日本に進出してきたときに、日本にはこれまでみられなかった発想を持ち込んでくることもあるでしょう。ホテル業界では実際にこうした状況の中で日本企業が大きな変化を迫られています。
 
・サービス業の従業員教育は他の業種と違う点があるのか?
大いにあります。これからの講義でふれていきます。
 
・日本ではどのような会社がサービスに力を入れているのか?
これからのグループレポートで調べてみましょう。
 
サービス業の変化
・サービスの需要の中で、特に需要が伸びている部分は?
前回講義でもふれた、家庭や事業所の活動を代行するような分野の伸びが大きいでしょう。
 
・サービス業が増えると、マイナスの影響を受ける事業はありますか?
ドリルのたとえでもわかるとおり、製造業の一部には影響のでる可能性があります。
 
・顧客志向へ移行した要因、出来事はありますか?
なにかきっかけがあったわけではなく、徐々に変化が進んできたといえます。
 
ノードストローム
・ノードストロームまで、サービスをする必要があるのか?
そうしたサービスによって実際にノードストロームが注目すべき成果をあげていることが重要です。成果があがっているということは、そうしたサービスが求められていると理解できます。
 
・マニュアルを超えた接客をやりすぎると、会社がまとまらないのでは?
やりすぎがよくないのは当たり前です。ノードストロームが、一般の企業ならやりすぎと思えるようなことを実現できたのはなぜか、を考えてみましょう。
 
・ノードストロームのようなやり方が、年功序列型社会である日本の従業員になじむのか。
ノードストロームのやり方をそのまままねしてうまくいくとは限りません。成功した事例に学ぶ、という場合すべて同じですが、形をまねするのではなく、成功を導いた考え方、視点などを学びとり、それを自分たちの現場で具体化すればどのようになるのかを考える必要があります。「○○のように動くな、○○のように考えろ」といわれるのはスポーツや芸術の分野でも同じです。
 
外部化
・外部化がコスト削減につながるという点がわからないです。
企業の場合であれば、たとえば企業の施設管理の業務を企業内部でやっていれば、そのためにいわば本業と関係のないことに従事する人材を雇ったり、いろいろな手配をしたりしなければいけません。しかし、施設管理を専門にしている企業に委託すれば、それ専門の企業ですからそうした業務を効率的に進める能力があり、人材も効率的に運用することができるので、結果として低コストでできる場合が多いのです。
 
・外部化の限界は?
最近では企業の基本的業務に直接関わるような分野まで外部化が進んでいます。たとえば経理部門を外部化すると確かに効率的なのですが、いっぽうで企業のなかでの資金の流れや財務状況を把握する力が、そうしたことがわかる人材が育たないなどの原因で中長期的には弱ってしまう危険があります(必ずそうなるというわけではありません)。こうした点には注意が必要です。
 
その他
・PowerPointが何かわからないです。
Microsoft社のプレゼンテーション・ツールです。グループ全員に知識がない場合は、使用しなくてもかまいません。
 
・日産のカルロス・ゴーンは優れた人物に入りますか?
この講義はサービス業を対象にしているということと、評価を定めるにはまだ時間がかかると思っていることの二点から、ここでは回答しないでおきます。
 
・試験に向けてどう勉強すればよいですか?
レジュメ、テキスト、講義のメモをもとに、自分のノートを作ってください。それをもとに、なにが講義のポイントなのかを理解する努力をしてください。
 
・サービス消費論やサービス経済論をとってなくても、授業についていけますか?
とりあえず大丈夫ですが、これらの科目はサービス・インス生としてぜひともとってください。
 
・就職活動での欠席は、欠席ですか?また、レジュメは後から、貰えますか?
欠席です。ただし、出席不足のみを理由に落第にはしませんので、ほかで挽回してください。レジュメはweb上で配布します。
 
・プレゼンの評価は、先生のみの評価ですか?学生の評価をとったり、それが反映されることはないですか?
プレゼンテーションは学生の相互評価を導入する予定です。