2001/04/09
サービス・マネジメント論
−第1回 なぜいまサービスなのかー
0.受講ガイダンス
(0)教員自己紹介
近藤 宏一 立命館大学経営学部助教授(34歳、独身)
専門:サービス・マネジメント論、交通経営論
メールアドレス kondok@ba.ritsumei.ac.jp
(1)インスティテュートのカリキュラムのなかでの講義の位置づけ
・サービス・マネジメントの基礎理論を学ぶ
・多様なサービス業の概観を受講生自身の手で把握する
(2)スケジュール →講義概要参照
(3)進め方
講義(第1〜8回、14回を予定)
インタラクティブな講義にするため、毎回感想や質問を書いて提出してもらう。
テキストを参照しながら、講義はレジュメをもとに行う。
※レジュメは教室以外では配布しないが、下記のwebsiteに掲載する
http://www.ritsumei.ac.jp/ba/~kondok/service/s_index.htm
原則として、それらの感想や質問に対しては翌週の講義の最初にコメントする。
受講生のレポート発表と質疑(第9〜13回を予定)
テーマ:日本における各種のサービス業の現状とサービス・マネジメントの課題
希望するサービス業の分野ごとにグループを作り、調査してレジュメまたはpower pointを
用いて発表する。
その際には基本的に講義全体を受講生のグループが運営する。
(各グループの代表者が全体のスケジュールを決定、講義ごとの運営、発表、司会など
それぞれを分担して行う)
(4)試験
記述式が中心。テキスト・参考文献・ノート持ち込み可の予定。
(5)評価(案)
配点:試験 70点満点
出席(感想レポート提出) 10点(5回未満ゼロ、5〜9回:5点、11回以上:10点)
レポート発表 20点(受講生による評価)
※レポート発表に参加できない者は別途個人レポートを課す。どちらも行わなかった
場合は単位を与えない。個人レポートの内容、評価基準についても受講生と協議す
る。
評価:A:80点以上 B:70点以上 C:60点以上 D:60点未満
※この案についての意見を今日は書いて提出して欲しい。それをもとづく受講生との討議に
よって評価方法は確定する。
(6)参考文献など
講義概要記載のもののほか、以下の文献の内容は講義と密接に関連している
・近藤隆雄著『サービス・マネジメント入門』NTT出版、1998年。
・近藤宏一「サービス・マネジメント論の枠組みと課題」、『立命館経営学』第35巻第4号、199 6年。
・近藤宏一「サービス・マネジメント論における『サービス』概念の検討」、『立命館経営学』 第37巻第4号、1998年。
また、新聞では「日経流通新聞」にサービス業関係の記事は多く出るので、目を通すとよい。
1.なぜいまサービスなのか
(1)サービス業がしめる比重が非常に大きくなっている
キーワードは「外部化」
A)生活の変貌
・高齢化:
・女性の社会進出、家庭のあり方の変化
・健康志向
・環境意識の高まり
・長時間勤務、長距離通勤の常態化
B)産業のあり方の変化
・外部化〜情報化、環境志向、国際化などへの対応
ex)環境監査、廃棄物処理
・いわゆる「リストラ」
ex)経理部門は事務処理会社に
・ベンチャーなど多様な事業のあり方がひろがる
ex)秘書つき賃貸オフィス
(2)さまざまな事業活動にサービスの発想が求められている
・「作り手」の発想から「受け手」の発想へ=「顧客志向」
「ドリルを買う客はドリルがほしいのではない、穴がほしいのだ」
・国際競争、規制緩和
さまざまなサービス業の海外からの参入
規制緩和によって新規参入が可能に
→従来にない発想が必要に
・消費者・市民の意識の高まり
2.「よいサービス」とは
〜日常用語としての「サービス」と科学としての「サービス」
(1)「よいサービス」のイメージ
@次のサービスは「よいサービス」か?
・中国国鉄上海鉄道局の「ブラスバンド」
・親切なカラオケボックス
・3円おまけしてくれたスーパー
・映画を上映するファミレス
A受講生の考える「よいサービス」とは
(2)日本語の「サービス」にはいろんな意味があるが
@態度的用法
A精神的用法
B犠牲的用法
C機能的用法
@〜Bは、科学の対象としてのサービスではない。