2001/06/04
サービス・マネジメント論
−第8回 サービス・マネジメントの展開(2)−
4.サービスの品質 (テキストp133)
(1)マーケティングの中核としての品質
サービスのマーケティングにおいて「品質」の持つ意味
=サービスはそれを消費した「以後」が重要である
・口コミによるマーケティング
・リピーターの確保
(2)サービス品質とは
@「品質」の構造
・探索品質:消費者が製品(サービス)を購入する前に評価できる品質
・経験品質: 〃 して後に経験する品質
*サービスの場合は「購入と同時に」と理解してもよい
・信頼品質:購入後も時間が経過しないと評価が難しい品質 例)医者の診断
→サービスは経験品質、または信頼品質に偏るので、消費者は他の消費者の経験
(つまり口コミなど)に頼ろうとする。
例)テレビ番組の企画で「ネタがつきたらラーメン屋」
A客観的品質と主観的品質
マーケティングという視点から見た場合には、主観的品質が重要
理由1:顧客の消費行動に大きな影響を与えるのは、顧客が自ら認知し判断した評価で
ある
*客観的品質は重要でないわけではなく、いわば前提である。
理由2:サービスでは結果だけではなく、サービスの提供過程も評価される
B品質と満足感
同じように主観的な評価だが、概念としては異質。 *混同が多いので注意。
品質:合理的な認知、知覚。長期的な評価。
主観的ではあるが、評価した本人としてはいわば「きっちり」評価している
満足感:感情的・感覚的反応。合理性はない。
例)「いい演奏」と「好きな演奏」は違う
通常は、品質への評価が満足の前提になる
(品質への評価が低いのに満足ということはあまりない)
(3)サービス品質の測定
5.サービスの価格(テキストp192)
(1)サービスの価格とは
・「原価プラス利潤」と単純にはいかないのはなぜか
・価格の持つ複数の機能
@コストパフォーマンス機能〜価格からも品質を推定する
Aマーケティング機能(イメージ)〜価格も品質である
B需要調整機能
・サービスの価格とは
(2)価格設定で考慮すべき要素
@サービス・コンセプトのより詳細な規定
A束を解くこと(unbandling)
B新しい価格の担い手の提示
C成功報酬型価格設定
D参加賞例型価格設定
6.サービス・リカバリー
「えらいことになった、どないしょう」
→やっかいな苦情処理から、苦情を転じて福となすサービスへ
(1)苦情対応(complaint management)の重要性
@苦情対応によって、不満を持った顧客を満足させる機会を得ることができる
・顧客の態度が変わる
・口コミの内容が変わる
・適切な苦情対応によってむしろ信頼=リピーターの獲得ができる
A顧客が不満を持った理由を知ることができる→改善点などが明らかになる
(2)「苦情満足」への道
@前提として、苦情対応を前向きに活用することを組織の姿勢として確立する
A苦情を言いやすくする
苦情を言うための敷居が高いと、顧客の苦情はサービス提供側ではなく口コミで悪口を言ったりすることで解消されるので、非常にマイナスが大きい。
Bどこに苦情が来てもちゃんと対応できるようにする
C顧客の言い分を聞き、フェアな姿勢をとる
D苦情情報のフィードバック