• 011
  • 岩手県大船渡市で復興を支える

岩手県大船渡市商業観光課観光物産係(2012年産業社会学部卒) 平野桃子

ここで生きる人たちと、新しい故郷をつくる。

夏祭りの準備を手伝う。
わずか1週間のボランティアが、彼女の人生を変えた。
「震災は現実で、現在も進行しているもの」
予想を超える震災の爪痕に、彼女は言葉を失った。
そんな中、「家、流されちゃったんだよね」と
さらりと笑いながら話す子どもたち。
表情とは裏腹な子どもたちの心、将来のことを考えると、
胸がつぶれそうになった。
多くの人がここを去らなくてはいけない現実を知り、
「私には帰れる故郷がある。
みんなにも帰れる故郷を取り戻したい、取り戻さなきゃ」
という思いに駆られた。
彼女は、卒業後に考えていた地元福岡での就職をやめ、
血縁も地縁もない大船渡市職員になることを決めた。
就職から1年。
地域の特産品を取り扱い、祭りなどのイベントに関わる業務を担当。
「外から来た人間ならではの視点で、大船渡の魅力を伝えていく」
この町の魅力を知ってもらえば人が集まる。
人が集まれば、町がまた賑わう。
大船渡の町が震災から立ち上がった時、
ここが彼女の新しい故郷になるはずだ。