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  • 新薬開発をすすめるマイクロマシン

理工学部 機械工学科 教授 小西聡

ミクロの手が、医療を大きく発展させる。

新薬開発の現場で、培養細胞組織を使った実験が注目されている。 
細胞組織は数百μm程度と超微小。
さらに繊細でもあるので、培養皿から培養皿へ移動させる際に、
傷をつけてしまうこともある。
ただし傷つけてしまうと、その後の生育に大きな影響が出てしまう。
そこで登場したのが、小西が開発した「マイクロマシン」といわれるミクロの手。
やわらかいシリコンゴム製で、フィルムほどの薄い指を圧力で動かす。
これなら、培養細胞組織を傷つけることなくつまみ、運ぶことが可能だ。
小西はさらに装置の自動化も進める。
狙った培養細胞組織を高精度でつまみあげ、移動させることにも成功した。
これは新薬の開発に革命をもたらし、開発は加速度的にすすむといわれる。
不治とよばれる病気の治療薬が見つかる日も遠くないはずだ。