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  • 飛込競技の世界舞台

スポーツ健康科学部 馬淵優佳

恐怖を超え、ケガを超え、
2秒にすべてを込めて飛ぶ。

競技時間、約2秒。
飛込は、勝負を決するまでの時間が最も短いといわれる競技。
アクロバティックな技をその一瞬に凝縮するが、
わずかなタイミングのズレが大きなケガにつながる。
「新しい技を習得する時の恐怖は今もあります」と彼女は言う。
入水の衝撃で手首や腰などにケガを抱え、満身創痍なのも事実。
彼女は、日本飛込界を牽引する父のもとに生まれ、
6歳の頃から競技を始めた。
青春を謳歌している同世代に対し、
学校と練習のみの毎日に、当時は嫌気がさしていったという。
しかし、そんな思いを東アジア大会で獲得した銅メダルが払拭。
飛込大国中国ならではの熱狂的な声援や万雷の拍手に
「この感動をまた味わいたい」という思いに至った。
そこから、世界を強く意識する。
「ごつい女子になるのは…」と
敬遠していた筋力トレーニングにも精力的に取り組む。
「世界の舞台に立つためには、嫌だとか恐いなんて言ってちゃダメですね」と新技に挑む。
世界を驚かせる2秒のために、彼女は今日も全てを捧げる。