2.12


2016

パイロット学生の卒業後の活躍を願って

山本郁子

パイロット学生の卒業後の活躍を願って

山本郁子

みなさん、こんにちは。パイロット学生の山本郁子です。
移動キャンパスを終えて、早くも一年が経ちました。この一年の間、半年以上にわたって就職活動に励み、卒業論文に取り組み、大学生活を終えて社会人になる準備を進めてまいりました。キャンパスアジアでの二年間を通じて、日中韓について学び、国際人としての経験を積む機会を得ましたが、就職活動では、その学びを社会へとつなげる大きな一歩を踏み出したと感じています。
 就職に際しても、中国や韓国と関わっていきたいというのは、キャンパスアジアの学生の誰もが願うことだろうと思います。しかし、具体的にどのように関わっていくのか――研究、教育、民間企業、公的機関など、その選択は十人十色です。先日、修了式で久しぶりに再会した中国の学生たちは、すでにIT企業や会計会社など、様々な分野での仕事を始めており、すっかり社会人の面持ちでした。韓国の学生たちはというと、就職の準備を進めている学生もいれば、大学院へ進学し国際法を学ぶという学生や、兵役を控えている男子学生もおり、その進路は三国のなかでも最も多種多様に映りました。それぞれが、キャンパスアジアで得た一番の学びと、自分自身の個性とをすり合わせながら、パイロット学生らしい、新鮮さとチャレンジに満ちた道を見出したと感じています。
さて、私にとってのキャンパスアジアでの一番の学びはというと、異文化におけるチームワークとリーダーシップでした。個々人の意見が異なるだけでなく、文化的背景も異なる人々のなかで、どのようにひとつの目標に向かっていくのか。異文化においてどのように意見を伝えるべきなのか、また受け入れるべきなのか。授業でのグループワークだけでなく、シェアハウスでの共同生活でも、いつもリーダーシップをとる難しさを感じ、同時にチームワークの大切さを学びました。この学びを活かし、次のステップへとつなげることを考えた結果、私は外資系企業でマーケターとして働くことを選びました。多国籍の同僚たちと多種多様な事案を検討し、一つのゴールに向かっていくという働き方は、キャンパスアジア・プログラムで送ってきた生活に通ずるところがあるようにも思います。
 就職活動をはじめるときに、まず「働く」ということが自分にとってどういう意味を持つのかを考えました。いまの私にとって「働く」ということは、新たな学びの機会です。学生という肩書から社会人へと変わることで、そこには大きな責任が生まれますが、そういった制約のもとでこそより積極的に学ぶことができるのではないかと期待しています。このような考えの背景には、やはりキャンパスアジアで初めて中国を訪れた日に目にした、早朝から熱心に勉学に励む中国人学生の姿が影響していると思います。大学で学ぶこと、あるいは会社で働くことを義務ととらえず、チャンスだと考えるように意識を変えてくれたのは、まさしく中国の学生たちです。キャンパスアジアで得たこのマインドセットは、私の社会人としての一番の強みになると思います。そして、私たち30人の一期生それぞれが、このようなキャンパスアジアでの経験を強みに、各分野で活躍できることを願っています。

             



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