映像文化

所属教員
北野 圭介、北村 順生、鈴木 岳海、宋 基燦、古川 耕平、朴 真理子
北野 圭介 教授

北野 圭介教授

専門分野
  • 映画理論、表象文化論
プロフィール

ニューヨーク大学大学院芸術学科修士課程修了。
ニューヨーク大学、ラトガーズ大学などでの教鞭を経て、1998年より新潟大学人文学部助教授。現在に至る。2012年9月 - 2013年3月まで、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ客員研究員。著書に、『ハリウッド100年史講義(平凡社新書、2001年)、『映像論序説』(人文書院、2009年)『制御と社会』(人文書院)など。

メッセージ

映像、あるいはイメージというものは、不可思議なものです。なぜか。ナルキッソスの神話をもちだすまでもなく太古の昔より、人はイメージに夢、不安、欲望、恐れを仮託してきたからかもしれません。そうであるとするのなら、映像について思考をめぐらすことは、人間という存在の謎に真正面から向き合うという喜びに満ちたものだといえるのではないでしょうか。一生を賭けるに足るほどのかけがえのない仕事だと私は考えています。

主な担当科目(2012~2016年度)

映像心理学、映像理論、映像作品研究Ⅰ、専門文献講読Ⅰ・Ⅱ

北村 順生准教授

専門分野
  • メディア社会学、地域メディア論、映像アーカイブ研究
プロフィール

東京都西東京市出身。東京大学大学院社会学研究科修士課程修了。財団法人郵政国際協会電気通信政策総合研究所研究員、新潟大学人文学部准教授などを経て、2016年より現職。主な共著に、『懐かしさは未来とともにやってくる』(学文社)、『人文学の生まれるところ』(東北大学出版会)、『形と空間の中の私』(東北大学出版会)、など。

メッセージ

およそこの100年の間、われわれは映像を通じて世界とは何か、人間とはどんな生き物なのかを観察し、理解し、語り続けてきました。その意味で、映像は我々の住む社会や人間のあり方に大きな影響を与えてきたと言えます。その一方で、社会の側から映像のあり方、つまり、誰が、誰に向けて、どんな映像を、なんのために、どのような形で、伝えていくのかを規定してもきました。いま身の回りに溢れている映像の姿は、多かれ少なかれ、私たちが選んできた結果なのです。そうだとすると、これからの世代に向けて、私たちはどんな映像のある世の中を残していけるのでしょうか。また、残していくべきなのでしょうか。当事者の一員として、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

主な担当科目(2016年度)

映画文化論、映画史Ⅰ・Ⅱ、文化資源学

鈴木 岳海 准教授

鈴木 岳海教授

専門分野
  • 映像人類学、映像制作
プロフィール

甲南大学大学院人文科学研究科応用社会学専攻博士後期課程修了。博士(社会学)。映像作品「the Image gatherer」、「手のひらの地蔵盆」、「神と仏と人と 戸隠地蔵盆」、「聖なる手 異なる京菓子」など。
京滋阪神地域をはじめネパールにおいて、祭りや成人儀礼などの伝統的な年中行事について比較調査をおこない、ライフストーリーや身体技法に関わる映像作品の制作を行っている。

メッセージ

映像人類学は、人々と映像によって関係を構築し、映像を用いて民族・社会・文化を観察しながら、その場に関わる人たちと映像を共有することで互いの経験と知識を循環する営みといえます。またカメラの前で起きている諸現象について、とくに文字では表現することが難しい感覚や身体技法、関係性などを映像と音声を用いて表現し、資源化する研究活動でもあります。関係性と共有性を軸として、感性を包み込む映像人類学的な視点は、自分自身を絶対視せず自身の枠を縮めたり、膨らませたり、スライドさせながら生きる糧となると思います。

主な担当科目(2012~2016年度)

映像人類学、映像人類学実習

宋 基燦 准教授

宋 基燦准教授

専門分野
  • 映像人類学
プロフィール

京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。京都大学GCOE研究員、大谷大学文学部社会学科助教を経て現職。主な著書に『語られないものとしての朝鮮学校』(岩波書店)
専門は人類学ですが、学部生の時代は、もっぱら考古学の発掘現場で多くの日々を過ごしました。考古学の現場とはいろんな意味で臨機応変が必要なところなので、お陰様でフィールドワーク(主に野外活動という意味での)には自信があります。もちろん人類学のフィールドも持っていまして、主に日本のエスニック・マイノリティに興味があり、その中でも在日コリアンのことを研究しています。それに関連して、グロバル時代における日本とアジアの付き合い方にも関心があります。当然、ポストコロニアル、朝鮮半島の地域研究、東アジアの国際関係、平和学などにも興味があり、主に映画や関連映像をテキストに研究をしています。

メッセージ

映像自体には本質的に何の意味もありません。映像は人間の見る行為によってようやく意味を持つことができるのです。結局人間こそが映像の出発点であり、また帰るべきところだと思います。人間は映像をみて解釈をしますが、その過程には必ず文化というフィルターが入ります。そこで人類学は映像と人間理解に有効な道具となるわけです。伝統的意味での映像には必ず「被写体」という対象が存在しています。人類学はその対象に声をかけるのです。人類学とは対象との絶えない対話であり、その中から物語と共感を導きます。私が長年エスニック・マイノリティへの人類学研究を通じて学んだのも対象と共感することです。対象への共感と理解なしで良い物語は生まれません。一緒に対象と共感できる実践について考えていきたいと思います。

主な担当科目(2012~2016年度)

映像人類学、映像人類学実習、文芸(物語)理論

古川 耕平 准教授

古川 耕平准教授

専門分野
  • CG、デジタルアーカイブ
プロフィール

近畿大学生物理工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。大学院修了後、立命館大学21世紀COEにおけるポスドク研究員として、主に歴史的建造物に関するデジタルアーカイブ研究に従事。立命館大学映像学部専任講師を経て現職。

メッセージ

長い歴史を持つ日本には、先人達の遺した貴重な文化財が、記憶とともに受け継がれています。形のあるものも形のないものも、時間と共にいずれ失われていきますが、せめてその記憶だけでも後世に伝えていくことは大切です。そのために、デジタルという媒体を利用して、文化財の記憶を新たなカタチで記録し直すことを考えています。それは、デジタルとアナログの間に横たわる境界線を、改めて見つめ直すことでもあるのです。

主な担当科目(2012~2016年度)

デジタル映像メディア実習、映像調査実習、映像デザイン演習、デジタルアーカイブ実習

朴 真理子 教授

朴 真理子教授

専門分野
  • 応用言語学、英語教育学、語用論
プロフィール

奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。近畿大学文芸学部英語英米文学専攻准教授(’03年4月~’08年3月)を経て現職。
著書にTask-based Rhetorical Structures for EIL Learners (朝日出版社)他がある。これまで授業タスクの概念(C/P-task)研究、学習者モーティベーションの回顧的研究、及び、映画字幕、翻訳に関わる発話解釈の研究等を行ってきた。ゼミでは卒論指導のみならず進路指導も重視している。

メッセージ

変化の激しい現代社会において映像のもつ意義は重要性を増してゆくばかりです。そのような時代にあって映像について考えることは、自分を客観的にとらえて物事を俯瞰的に見つめることにもつながります。そして、映像について共に考えることは、私達が相互の違いを超越してより大きな視野で事象を理解することにつながります。皆さんと共に映像について考える機会をもつことができる日を心から楽しみにしています。

主な担当科目(2012~2016年度)

Basic EnglishⅠ・Ⅱ、Reading SkillsⅠ・Ⅱ、Oral InterpretationⅠ・Ⅱ