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夏期集中講義「映像創作論」成果発表展レポート

2017.09.05

2017年度夏期集中講義の一つ、「映像創作論」では授業の成果発表を公開型でおこなっています。
今年の発表展は「ヒッチコック・クッキング」


そのタイトルだけでどんな展示をするのか推測できた人はいますか?

「ヒッチコック」「クッキング」するのかな、と考えたアナタ。意外と正解かもしれません。

いまメディア・テクノロジーを通した創作行為をどのように考えるべきか?そして、いかなる創造行為のあり方が問われるべきなのか?について講義とワークショップを通じて学ぶ機会を提供することが狙いのこの「映像創作論」。
担当いただくのは学部長の北野圭介先生と、東京藝術大学名誉教授で昨年度紫綬褒章を受章されたメディア・アーティストの藤幡正樹先生です。

今年は受講生が4名と非常に少なかったのですが、逆に少人数で非常に濃密な講義が受けられたようです。


今回の授業では、既にある映画(今回用いたのはヒッチコック『見知らぬ乗客』)を分解して取り出したショットにアノテーションと呼ばれる「キーワード」を付けていき、次に学生が独自のシナリオを作成。そのシナリオからキーワードを読み取り、適合するショットを選択し、自動編集してしまう-そんなシステムを構築しました。つまり、既にある映像を分解し、自分の書いたシナリオで、しかも自動で、まったく別の文脈の映像作品を作ってしまう、今話題の「人工知能」にも似た驚きの映像編集システムなのです。

2017年度「映像創作論」PR動画

今はまったく関係ないショットがぶつ切りで編集されていますが、これがもっと発展したら、たくさんある映像を用いて、シナリオを提示するだけで自然に繋ぎ合わせることも可能になるとか。夢が広がります!


この授業の成果を発表するため、最終講義日に展示会が開催されました。
受講生が少ないこともあり、先生方も一緒に設営や運営をおこないました(学部長が受付をするというシーンも)。


広報期間が短かったにも関わらず、当日は多くの方々に来場いただきました。初めて触れる映像の世界に最初はその意味や仕組みを理解するのが難しかった人も、学生の説明を聞いて作品に見入っていました。




映像を取り巻く技術は確実に発展し続けています。新たな技術を用いるとどのように映像の可能性が広がるのか-「映像創作論」ではまた来年の夏も成果発表を通じて、私たちに見たことない映像の世界をのぞかせてくれることでしょう。受講生の皆さん、お疲れ様でした!