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「特殊講義~ハリウッド映画におけるCG史~」現地レポート②を公開!

2019.09.20

【現地レポート②】


 映像学部では、近代ハリウッド映画において、CGがどのように発展してきたかを学ぶ授業として、「特殊講義(専門Ⅰ)ハリウッド映画におけるCG史」を開講しています。この授業では、CGそのものの発展史だけではなく、ハリウッドのCG制作会社の歴史とそこで働くクリエイターの活躍についても学びます。
 現地では最先端のCG制作現場の視察やクリエイターの方々との意見交換を通して、日米間の制作現場、意識の違いや課題等を学びとるだけではなく、学生自身が卒業後のキャリアを考える契機にもしています。また、異国の風景や文化に触れることにより、既存の価値観を超え、世界を舞台に活躍するクリエイター、プロデューサーとしての資質を高めることを目的としています。

 今年は2回生12名が参加し、9月5日(水)〜9月13日(木)の期間、ロサンゼルスとラスベガスにて研修を行い全員無事に帰国しました。先に現地レポート①をアップしましたが、3~4日目のレポートを第2弾として公開いたします!

【研修3日目】

 研修3日目は終日ロサンゼルス近郊のCG関連企業3社を回る企業訪問日です。

 最初の「Scanline VFX」社では、CGスーパーバイザー職の坂口氏の関わったプロジェクト映像を視聴した後に、懇談しました。
 北米におけるCG制作は分業化(15種ほど)が進んでおり、例えば水のシーンは特殊な演算が必要なのでスペシャルチームが、また、髪の毛や筋肉のよりリアルな動かし方の演算を専業とするチーム、クラウドというアルゴリズムを使って群集をシミュレーションするチーム、エンバラメントという重要度が高くない背景シーンを総合的に作画する効率化のためのチームなど多様な部署の存在を教えてくださいました。坂口氏はこれらの部署を統合する役割です。

 また、参加者の露骨な(!?)収入面に対する質問に対し、なんと日本企業の4倍ほどの給与がある旨の回答をしてくださり、一同びっくり。将来の北米での就職への光が射したようです。
 


 次に日本でも有名な世界的大手の映画制作会社「DreamWorks Animation」社を訪問。一般的な企業訪問は受け付けておらず、北米CG研修でも初の訪問先となり、参加者が期待する今回の目玉です。
 まずは、社食のビュッフェをいただきながら同社ではたらく日本人社員のみなさんとのランチミーティングをおこない、入社の経緯や、現在の仕事内容、業界の裏話などを聞くことができました。参加者はスマホで自身の作品を見せながらアドバイスを得たり、今後の支援をお願いするなど、積極的に交流している様子でした。



 ランチ後は社内の制作現場やスタジオなどのツアーとなり、日本では発表されてない有名な作品(作品名は丸秘)のモデリング現場を目の当たりにし参加者は感激。他では得られない経験をすることができました。
 
 

 本日最後、3社目の「Luma Pictures」が位置するサンタモニカへ移動。社内のシアターで同社が関わった作品を視聴し、モーションキャプチャ設備など社内見学しました。同業他社は物価や節税などのコスト面からバンクーバーに移転するケースが増えているが、オーナーのこだわりで、社員を転勤させたり、レイオフしたくない配慮で、創業したロサンゼルスでの事業を継続したという。ビジネスライクな会社が多い中、非常に人情的な対応に、参加者アンケートでは「今回訪問した中で一番働いてみたい社風」との意見もありました。



【研修4日目】

   4日目は前日までのマジメな(?)研修内容から一変して、ロス近郊の大谷選手が所属するエンゼルスでも最近知名度が上ったアナハイムに位置する「Disneyland Resort」でエンターテインメント研修を実施しました。



 まずはDisneyにも精通した北原先生の引率で「Disney California Adventure」にあるオススメの2つのアトラクションを全員で体験。映画『CARS』をモチーフにした「Radiator Springs Racers」における本物さながらの凝った美術と参加者同士にレースをさせるなどの演出の素晴らしさを体感し、「Soarin' Around the World」では世界の空を浮遊して旅するシンプルな2Dの内容ながら、嗅覚までも使った感動的な演出に関し、その没入感の理由をひたすら考える映像学部生らしい一面も見られました。
 上記アトラクションの後は園内での自由行動。全員がホテルでのミーティングの23時ギリギリまでフルにDisneylandを楽しみ切った様子でした。


レポート③は来週公開します!