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【2018年度立命館映像展のすゝめ vol.14】~番外編~ 映像展レポート③

2019.03.19

さぁ、いよいよ立命館映像展レポート③(3日目)です!
レポート①はコチラ
レポート②はコチラ

【2月24日(日)】

<展示会場>

最終日もオープンから大盛況の展示会場。あまりの人の多さに展示作品体験も待ち時間が出るほど。

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学生も時間を追うごとにどんどん作品説明がなめらかになり、特に今年は外からガラス張りの会場をのぞいて「なんか楽しそう!」と入ってきてくれたちびっこが、好奇心いっぱいの目で学生を質問攻め。スタッフ一同張り切って、みんな丁寧な対応に努めました。近所の大学生のお兄ちゃんお姉ちゃんてちょっと恐いイメージがあるかもしれませんが、映像学部の学生は「遊び心」を持ち続けた永遠のキッズです。子供目線になれなければ、ワクワクするものは作れません!

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そして、この日は学部にとってもとても嬉しいゲストに来場いただきました。2019年1月から学校法人立命館総長(および立命館大学学長)に就任された仲谷善雄総長と、昨年度も映像展に来てくださった森島朋三理事長です。仲谷総長は情報理工学部教授。専門分野も人工知能やヒューマンインターフェースなど映像学部教学とも通じる領域の研究をされている総長に、映像学部の学びの集大成を見ていただき、またこれから専門性を活かして社会に羽ばたいていこうとしている学生に様々なアドバイスをいただいたことは、映像学部を発信する上でも非常に貴重な機会であり、学生にも大きな励みとなりました。

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総長・理事長ともいろいろな作品に実際に触れて、学生の説明を聞き、先生方と意見交流しながら、映像学部の活き活きとした学びが学園全体とどのように化学反応をおこせるかということを考えていただいていたように感じました。VR大島ゼミ木川貴一郎さんの『Haptobox』では、MREALというヘッドマウントディスプレイを装着し、開発した多感覚インターフェースデバイスである箱『Haptobox』を手に持って覗き込むことで、ディスプレイで見ているものの振動が手にも伝わり、よりリアルにCG閲覧体験ができます。総長もこれには深く感心されていました。箱を開けて中の装置を実際に見ながら、どうやってこのリアルな振動を作ったのかという説明も聞かれました。

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展示会場最後は、映像研究科2回生の津田宝裕さんの作品『回遊-KAIYU-』を総長・理事長も含め12人でプレイしました。先日この作品で京都府の大きな賞を受賞された津田さん。この作品は、言葉で語るよりも、実際に遊んでみるとその魅力がすぐにわかります。12人のプレイヤーが心を一つにして、声を掛け合いながら、一つのキャラクターを動かすのですが、総長も理事長も「せーの!」と言いながら周囲とタイミングを合わせ、できた時には一緒に喜び、失敗したら大笑い。こんなにも一度に多くの人を笑顔にするゲームがいまだかつてあったでしょうか。津田さんの受賞については、前号EIZO VOICEで紹介されています!

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今年の展示会場は、どのゼミ生もプレゼンがとにかくうまく、学外で展示会などの経験を積み重ねてきていることが確実に自分たちの力になっていることが伺えました。来年度も更にパワーアップして、来場者にものづくりのワクワクを伝えていってほしいと思います!

<上映会場>

3日目の上映会場も朝からたくさんの人でにぎわいました。明らかに多い入場者の数に、「今年の来場者数は過去最高なのではないか・・・」と嬉しい予感がしているスタッフたち。最後の最後まで気は抜けません!会場であるイオンモールkyotoの正面玄関でも朝早くからビラを配り、会場でも丁寧な案内を心がけました。いよいよ上映スタートです。

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CGギャラリーもたくさんの観覧者の姿が。3日目は初日同様、シアターでもCGゼミのアニメーション作品が上映されました。


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最終日の上映は林田あかりさんのドキュメンタリー作品『Dialogue(ダイアローグ)』から始まりました。作品は40分とドキュメンタリー作品の中ではもっとも長編のものになりました。その手法も独特で、とあるワークショップを数台のカメラで映し出すもの。トークセッションのテーマに対して出てきた意見によって2グループに分け、グループそれぞれが意見を話し合います。登場するファシリテーターの議論の回し方が見事で、セッションに参加した人たちの素直な意見と、その意見を交わすごとに感情や表情が様々に変化する様子がとてもおもしろく、40分があっという間でした。「対話」の可能性について考えさせられました。


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林田あかり監督

今年は院生の映画も話題となりました。研究科2回生の小泉洋介さんの『カラオケ・アンサンブル』です。実はこの作品は、映像研究に取り組む大学院生を支援する芳泉文化財団映像研究助成制度で選定され、助成金を受けて制作したもの。先日開催された「第14回大阪アジアン映画祭」の協賛企画として一般公開もされました(スタンディングオベーションを浴びたそうです!)。物語はとあるカラオケ店に集まった人々が繰り広げる一夜の出来事を切り取った群像劇。ホテルのような大きな場所にいろんな事情を抱えた登場人物が存在し、それぞれのストーリーが同時並行するというこの「群像劇」をずっとやりたかったという小泉監督。笑いあり、涙あり、名曲ありの賑やかでとても心温まる作品でした!

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小泉洋介監督(写真左)

そして、立命館映像展上映作品の最後を飾ったのは、松本優紀監督作品「夏の小骨」です。展示会場から上映会場に移動してきた総長・理事長も着席しました。松本監督は、3回生ゼミ課題で制作した短編映画「恋」が学外の映画祭で数々の賞を獲りました。3回生時にEIZO VOICEでインタビューをおこなった時にも、「卒業制作でも中高生を主人公にした映画を撮りたい」と語っていたとおり、高校生を主人公に多感な心の揺れをこれでもかというくらい丁寧に、切なく描ききっていました。物語は親が家を出て行き、一人で養鯉場を切り盛りする小春の元に、突然謎の女性春子が現れるところから始まり、互いに過去を乗り越え、成長する様子を描いた作品。松本監督からは、関わったすべての人への感謝の気持ちと、卒業後も映像の世界に携わっていくことなどが伝えられました。


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松本優紀監督(写真左)

上映が終わり、シアターから出て行く人の波の中で、周囲の目も気にせず、主演を務めた女優さんがワンワンと泣いていました。また、松本監督の映画のほか、映像学部の映画に多数出演されていた俳優さんも「ホンマにいい映画に出させてもらって、いい経験させてもらいました」とこれまた涙目。学部長も最後の挨拶で「鬼の目にも涙」。映像展は涙でいっぱいのラストになりました。

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閉会式の様子

この映画だけでなく、こんなに人の心を揺さぶり、感動を与えられる作品を卒業制作で残せた映像学部生に、閉会式では会場から温かい拍手が贈られました。本当にお疲れ様でした!

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閉会後、スタッフから花束を渡され涙ぐむ全体リーダー佐藤さん。立派でした!

映像展が無事終了しました。来場いただいた皆さん、当日まで支えてくださった関係者の皆さんに改めて御礼申し上げます。来年度も感動がたくさん詰まった「立命館映像展」に是非お越し下さい!


<立命館映像展学生委員早野佳苗よりご挨拶>
【2018年度立命館映像展のすゝめ】は今号をもって最終号となります。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
長いようで短かった3日間が終わり、来場者数はなんと過去最高の2244名でした!大きなトラブルもなく、たくさんの人にお越しいただけたこと、温かいお声を頂戴したこと、学生を代表して心よりお礼を申し上げます。

明日、私たちはここ立命館大学映像学部を卒業します。

映像学部での4年間は、私たちが4年前に想像してたよりずっと色濃い4年間でした。優しく支えてくださった事務室の方々、かっこよくいつまでも憧れの先輩方、元気でパワフルな後輩のみなさん、いつも丁寧にご指導してくださった先生方、私たちの学びを見守り支えてくれた家族、みんな本当にありがとうございました。

そして何より、4年間ともに学び、くだらないことを話したり、ときにはぶつかり合うこともあったけど、切磋琢磨し作品を作ってきた同期のみんなありがとう。

私たちはこの春からそれぞれの新しい道を進みます。そして、いつか母校である映像学部に遊びに来るときに胸を張って帰ってこられるようにそれぞれの場所で私たちらしく頑張ります!!

映像学部でよかった。本当に4年間ありがとうございました。