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2019年度立命館映像展『新しい世界への第一歩』Vol.6~Photo Gallery②【展示編】公開~

2020.03.19

2019年度「立命館映像展」について、当日の上映・展示会場の様子をPhoto Galleryとして、オリジナルムービーもあわせて一挙公開いたします!!
是非、楽しんでご覧ください!

今回は展示会場のデモンストレーションの様子をご紹介します。

~Photo Gallery①【上映編】公開~はコチラ


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展示会場では、ゲーム、VR・MR・AR、メディアアート、デジタルアーカイブなど46作品のデモンストレーション展示に加えて、今年度は3つの研究についてポスターセッションも行いました。

会場に入ってすぐ、子どもたちにとても人気なゲーム作品がありました。

〇中村広大制作『ダンダンスプリング』(作品形態:ゲーム)

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この作品は、音楽に支配されてしまった都市を「跳ね進む」リズムアクションゲームです。「誰でも楽しめる」「リズム感にノル」「先鋭化した音楽ゲームへの現状打破」を研究目標に掲げ、リズムにのることでゲームを気持ちよく楽しめる作品となっています。
昨今の音楽ゲームの高難易度化に対して、敷居を下げた気軽な音楽ゲーム体験を提供すること、また特殊コントローラーを使った入力装置の制作をテーマにしています。

〇北川貴美子・西 恵佑制作『Project Bond』(作品形態:ゲーム)
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文明崩壊後の地球に取り残された2体のロボットが、地球から脱出するため協力して生き抜く、二人専用のアクションアドベンチャーゲームです。
「市販されていれば購入したい!」という声もあった『Project Bond』。この研究内容としては、小規模チームでゲーム開発を行うというシチュエーションに対象を限定し、独自のグループウェアとその運用モデル提案するものです。ゲーム開発が一般化し、インディーズゲームも多数リリースされている現在、ソフトウェア工学という視点からとても意義ある課題設定だと評価されています。
展示会場では、「ゲーム開発をもっと楽しく」をコンセプトに開発したUnreal Engine用タスクツール「TaskSandbox」と“シンボル”の考え方を用いたユニークな絵作りのプロセス、それぞれの解説展示も行いました。

〇野崎友樹制作『複合現実型実験器具による化学反応学習教材の研究』(作品形態:インタラクティブ作品)
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原子同士が反応する基本的な「化学反応」の実験を目に見える形で学習できるインタラクティブ教材の研究です。タッチペンで原子を投入することができ、原子が熱運動、クーロン力、共有結合をする様子や分子同士がファンデルワールス力で集まる様子を微生物であるかのように液晶タブレット上で観察することができます。
この研究は、実験器具型デバイスとデジタルシミュレーションとの融合により、実際の実験体験に近い学びが得られることを目指した取り組みであり、STEAM型教育への展開も期待することができます。研究内容としては、高度なテーマが含まれていますが、開発した実験器具型デバイスによって、小学生でも直感的に理解しやすいものとなっています。

〇渡邉健制作『投影型ARによる生物学習のインタラクティブ教材の研究』(作品形態:インタラクティブ作品)
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これは、小学生を対象とした新しい生物学習のインタラクティブ教材です。ユーザーは、ボール型デバイスを操作して、生物の皮膚を透過させて骨や内臓を観察するレントゲンモードと生物の成長過程を観察するモードの2種類を体験することができます。
物の標本を生きた状態で維持することはとても難しいことですが、ここではデジタル技術を活かした新しい学習ツールとして開発しました。
手に持って自由に観察できること、複数の人たちが同時に観察できることを同時に実現するために、小さなスクリーンをカプセルに封入し、これをリアルタイムにトラッキングするインタラクティブなプロジェクションマッピングを実現しています。2種類のモード(レントゲン、成長過程)は、デジタル教材の特質を活かしており、教科書の学習を補うツールとしても楽しんで生物を学ぶことができるものとなりました。

〇西村魁峰制作『身体の帰還-physical feedback-』(作品形態:メディアアート)
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人間の身体情報を発信源とし、映像と音楽による空間が作りだされるインスタレーション作品です。ここでの世界観は体験者に緊張感や高揚感を与えます。体験者の心拍数をベースに音楽と映像が生成されていくインスタレーションであるため、この空間では体験者と映像・音楽は相互に関係しあい、絶えず変化を続けます。
この研究は、一定空間の中で体験者の心拍をBPMに変換し、それを基準に映像と音声を生成、「心臓に見立てた(振動する)オブジェクト」が同期し触れることができるというアイデアから生まれています。心拍数をベースにループミュージックを演奏しながら、最終的に体験者自身の心臓と出会うというストーリーになっています。

〇DING Erli制作【修士制作】『ゴミ分別を促すインタラクティブゴミ箱-Smart Garbage-』(作品形態:メディアアート)
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『Smart Garbage』は、捨てられたゴミの分別状態を画像から自動判別し、分別状態に応じて異なった映像が投影されるインタラクティブゴミ箱です。日本での留学生活を始めて、ここでのごみ分別がいかに細やかにルール化されているかを知ったことから、この研究はスタートしました。観光や留学を目的として、訪日する外国人は毎年増えている一方で、日本語がわからなければゴミ箱に「可燃」や「不燃」などの表記があったとしても理解されません。そこで、ゴミ分別にゲーム感覚を取り入れ、正しく分別すると素敵な映像が映し出されるゴミ箱型インタラクションの制作を行いました。
映像は世界共通言語であり、ゲーム感覚のゴミ箱であれば、国籍に関係なく、子どもから大人まで楽しんで分別できるのではないかという想いから『Smart Garbage』が完成。また、無機質なゴミ箱がいかに人の心に残る「アート」になるか、この点に特にこだわった作品となっています。

〇ポスターセッション

井波晴香:アニメ映画『言の葉の庭』における光と影の描写の機能
堀林舞花:演劇関連資料の文化資源学的考察~演劇チラシを中心として~
内田竜児:【修士研究】VR映像技術における物語表現に対するユーザー評価の実証型研究
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最終日には、森島朋三・学校法人立命館理事長、仲谷善雄・学校法人立命館総長も来場し、展示作品、CGアニメーション作品、上映作品など時間をかけて見学されました。
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また、閉会式では、北野圭介・映像学部長・映像研究科長より、ご来場の方々への謝辞とともに、これから社会へ羽ばたく卒業生・修了生へエールを込めたメッセージが贈られました。

「皆さんが仕上げた作品群は、熱い意欲とたくさんの研鑽があってこそ実現したものです。でも、そればかりではありません。みなさんは、もがきながらの日々も表現してくれた。まっすぐにもがいてきた自分と向き合ったことを含め、厚みのある経験が作品に織り込まれています。皆さんは、それぞれの将来の姿を胸に抱きながら、21世紀の新しい潮流のうねりに体当たりで挑みました。真正面から向き合い、日夜努力を重ねてきた姿を目撃するたび、私たち教職員はみな、全身で誇らしいと感じており、かけがえのない喜びです」

このメッセージを受けて、卒展委員総代表の高木真波さん(4回生)より
「このような状況の中、たくさんの人にご来場いただけたこと心から嬉しく、御礼申し上げます。映像学部で学んだことを糧に、それぞれのキャリアを、自信をもって歩んでいきます」
未来に対して力強い誓いの言葉を伝えてくれました。
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最後には、森島理事長、仲谷総長からもあたたかなメッセージをいただき、2019年度「立命館映像展」は結びとなりました。

森島理事長からのメッセージ:
「人間らしく涙を流すことの大切さを改めて感じました。人は感動することで変わることができる。今日、皆さんの豊かな作品をみせていただき、感動と嬉しさでいっぱいです。新しい世界へ、是非、大いに羽ばたいてください!」

仲谷総長からのメッセージ:
「皆さんが『私たちの作品は、誰かに観ていただいて、評価していただいて、はじめて完成します』というコメントをしてくれていることが嬉しかった。自己満足ではなく、社会を見据えた作品を意識していること、モノづくりの根幹を理解していると感銘を受けました。大学は、学生と教員、職員がつながって成長していくことが大切です。皆さんに心から『ありがとう』を伝えたい。」

今年度は、新型コロナウィルスの感染状況により、一般公開を中止せざるを得なくなりました。楽しみにされていた方には、「限定公開」という形になってしまいましたこと本当に申し訳なく思っております。

そこで、「立命館映像展」ダイジェストムービーを公開します。
Photo Galleryとあわせて楽しんで観てください。



学生たちの学びの成果を社会へ発信することは、
映像学部・映像研究科の学生・院生・教員・職員にとってとても大切な機会です。
今後、たくさんの方に楽しんでいただけるような機会を考えてまいりたいと思います。
学生たちの多彩な作品を『完成』させるために、
是非これからも多くの方に、観て、触れて、遊んでいただければ嬉しいです!
ありがとうございました!


~Photo Gallery~
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