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映像研究科の山下一騎さんが国際学会にて「ゲームと平和」をテーマに発表しました!

2017.05.09

大学院映像研究科2回生の山下一騎さんが、先日アイルランド・ベルファスト市でおこなわれた「The International Network of Museums for Peace」主催の国際学会「9th International Conference」にて発表をおこないました。

発表のテーマは「Creating Exhibits and Games for Peace by Participants of a Workshop at a Peace Museum」。これは昨年の8月に立命館大学国際平和ミュージアムにておこなわれた、「RENKEI プロジェクト」のワークショップについて報告したもの。

彼の発表は学会参加者から高評価を受け、「平和」に関する新しい取組みであると称賛を受けたそうです。世界中にある「平和ミュージアム」が一堂に会するこの学会で、映像研究科の山下さんが「平和」に関するどのような取組みを発表したのか、非常に気になります。帰国後間もない山下さんにそのあたりを伺いました。


・8月におこなわれたのは、どのようなワークショップだったのですか?
 日英各6大学の学生が集まって、「日本で平和について考える」というプロジェクトが「RENKEI プロジェクト」の一環でおこなわれました。更にその中の取組みの一つとして、映像学部の渡辺修司先生に話があり、「ゲームと平和」というテーマでワークショップをおこなうことになりました。そこで「ゲームという要素から『平和』を学ぶことができるのではないか」という着目から、参加者にアナログゲームを作ってもらうことで、平和について学んでいこうということになりました。

・おもしろいですね。具体的にはどのようなゲームが作られたのでしょうか?
 例えば、わなげのゲームを作ったチームがありました。とある都市の地図をベースに、そこにはいくつもの旗が立てられていて、それぞれの旗で得点数が変わります。プレイヤーは高得点の旗を狙って輪を投げていくわけですが、ゲームが終わった後に、この旗が第二次世界大戦時に実際に米軍が長崎に原爆を落とす際に用いていた爆弾を投下するマップだったということを知ります。得点が高いほど被害が大きいというわけです。

   プレイヤーはこの事実を知ることで、原爆の恐怖についてあらためて認識することができます。ゲームという興味や関心を惹きやすいツールを使うことで、平和や戦争についての関心を高めるきっかけを作れたのではないかと感じました。

   作り手はこのゲームを作る過程で平和と戦争について知識を得ながら学ぶことができ、いかにその学んだことを効果的にゲームを使ってプレイヤーに伝えるかということを工夫していく。ゲームで遊ぶプレイヤーが学ぶということよりも、むしろゲームの作り手が学ぶための取り組みでした。

・学会ではどのような反応でしたか?
 非常に好評でした。作り手側の視点というのがより関心を高めたのだと思います。「ゲーム」というツールはきっかけとしては楽しめる要素もあるし、また何度も作りながら検証し、フィードバックし、改良を加えることでそれがより深い学びにつながるきっかけにもなります。自分自身もこの取組みを通して非常に平和への理解が深まりましたし、学会で異なる分野の方々と交流もできてよかったと思います。

 

学部時代にはなかなか機会のなかった国際学会での発表、学術交流など、研究科では院生が研究者の一人としてこういった場へ参加することも珍しくありません。映像分野での研究に興味のある方、是非院生や先生方に話を聞いてみてください!(映像学部事務室でも随時相談をおこなっています)

昨年山下さんが登場した「EIZO DAYS 大学院生特集」の記事はコチラ

映像研究科公式HPはコチラ

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