EIZOVOICE

映像学部4期生岩部美紗子さんが唐津古里映画「花筐/HANAGATAMI」の宣伝で来校!

2017.12.15

「映画との運命的な出会い」

 映像学部4期生(川村ゼミ出身)の岩部美紗子さんが先日、大林宣彦監督最新映画「花筐/HANAGATAMI」のポスターを抱えて、映像学部事務室に来られました。在学時の岩部さんのことを存じ上げていなかったこともあり、映像学部を卒業して映画関連の企業に勤務し、今回はその宣伝で営業に来られたのかなと思っていました。

 実は岩部さんは大学卒業後、地元の農協に就職。映像学部を出て、映像に関わる仕事をしていない自分に少なからず葛藤があった彼女は、SNSでこの映画のボランティアスタッフ募集の情報をみつけ、直感的に「これに関わらなかったら後悔する!」と感じ、応募したそうです。今回は撮影現場での話や卒業後の進路などエピソードを交えて、この映画に関わったスタッフの一人として映画のPRも語ってくださいました!



 岩部さんは映画ボランティアスタッフに応募してからは、最初のうちは他の地元ボランティアの方々と同じように雑用をこなしていました。しかし、ある日運命の出来事が起こります。その日のシーンがレールを使うもので、録音助手の後ろでケーブルを持っておいてほしいと言われ、ただそこにいたからという理由でケーブルを持つ係をすることに。そしてたまたま次のカットがカメラ位置を変えるということで、録音助手のスタッフがマイクからケーブルを外してどこかに行こうとしたところ、岩部さんはとっさに「このケーブルどうしたらいいですか?私巻けますけど…」と言ってしまったそうです。「ケーブルは高校放送部時代、そして映像学部の映像制作実習などでも扱った経験があったため、これまでの経験が役に立ちました」。

 そこから録音部の皆さんに気に入られ、特にこの映画の見所の一つで最も緊張感漂う場面でもあった「唐津くんち」の曳山のシーン撮影(※)では別の役割をしていたにもかかわらず、ご指名を受けプロのスタッフに混じってケーブルをさばくほどに。また、「現場にある機材は見たことあるものばかりで、大学でもプロ仕様の機材を使って学べていたことに気づかされ、とても恵まれた環境で勉強できたことを改めて実感しました」とも語りました。
「唐津くんち」曳山撮影の記事リンク「唐津 曳山使いロケ」(20161013日読売新聞)

 今まで自分の過去や選択を肯定しきれない部分があったという岩部さんは、この映画に携わり、「ずっとカメラが好きなこと」、「高校放送部でケーブル巻いていたこと」、「映像学部で学べたこと」、「地元で就職して今も地元にいること」、などこれまでのすべての選択・経験が「これでよかったのだ!」と自信をもてるようになったと言います。唐津の各所で行われた撮影に参加して、改めて地元・唐津の魅力に気づくことができたことも大きな収穫でした。
 
 最後に「これからは映像関係の仕事がしたい」と夢を語ってくれた岩部さん。そんな彼女との運命の出会いとなった映画「花筐/HANAGATAMI」は明日より順次全国の映画館で上映が始まります!是非ご覧ください!(京都では京都みなみ会館にて2018年2月3日から、大阪では大阪ステーションシティシネマにて2018年1月27日から上映)


<映像学部の皆さんへのメッセージ>
「『花筐』は大林監督が40年前から撮りたいと思い続けてきた作品ですし(※)、戦争がテーマの作品ですので、作品自体どちらかといえば重たいと思います。ただこの映画のいろんな場面(撮影~上映)に関わる中で、今作るべき映画だし今見るべき映画だなということを強く強く感じました。特に学生の皆さん、10代~20代のこれからを担っていく若者にぜひとも見てもらいたい。そして様々なことを感じ、考えてほしいです。

また映像表現も多彩なので、映画を志す人のみならず何らかの表現をしている・していきたい人、映像に関心のある人にはいい刺激が受けられ、すごく勉強になる作品です。
3時間近くある作品ですが見て後悔はしないと思いますので、多くの皆さんに見てもらいたいです!」
大林宣彦監督インタビュー記事リンク「”幻”が形に40年来の思い」(2016年7月28日佐賀新聞)

一覧へ