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「映像学部のタラちゃん」がクリスマスイブにテレビ朝日系ドラマに出演!

2017.12.21

「映像学部のタラちゃん」をご存知だろうか。

彼の名は、辻俊成。映像学部2回生。「タラちゃん」の愛称で親しまれている。

タラ山でも、タラの助でもない彼がなぜ「タラちゃん」の呼び名で親しまれているかを紐解きながら、また、彼が来週のクリスマスイブに放送される松本清張「鬼畜」(TV朝日系、玉木宏主演)に出演する情報についてもお知らせします!



「侍(サムライ)になりたい」

彼が役者になったきっかけは、北大路欣也主演の時代劇「子連れ狼」をTVで観たことから。北大路演じる子連れ狼拝一刀の格好良さに激しく魅了され、いつしか俊成少年の夢は「世界一の侍になりたい」に。大五郎役を演じていた子役(小林翼)が自分より年下らしいと知った彼は、「小林翼くんができるなら、(年上の)自分でもあの世界に入れるだろう」と思い立ち、親に頼み込んで劇団の門を叩いた。5歳の時だった。周囲が戦隊ヒーローなどに憧れる中、彼の心は侍になることでいっぱいだった。

そこからは様々なTV番組や映画に子役として出演。実家がある神戸から京都の撮影所に通うのは小学生の彼にとって激務であったが、「学業は絶対に疎かにしない」という約束で役者を続けることを親から許してもらっていたため、必死で勉強も頑張った。中学になると、いよいよ仕事量と勉強の速度のバランスが取れなくなり、親に「高校は京都に引っ越して京都の学校に行きたい」と訴える。悩みに悩んだ末の訴えだったが、そんな苦悩を知ってか、親はすぐにその要求を受け入れ、高校からは母親と妹と三人、京都に住むことになった。決して裕福ではない家庭で、息子の夢をそこまで一生懸命支えてくれた両親には「本当に感謝しかありません」。

そんな彼が上洛した高校1年生の時、2つの大きな出来事に直面する。

「夫婦善哉」と「R」

一つ目はNHK連続テレビドラマ「夫婦善哉」(主演:森山未来・尾野真千子)への出演がきっかけ。大正・昭和を舞台にした時代劇だったが、その撮影が京都の松竹撮影所でおこなわれることとなった。普段東映の撮影所で仕事をすることが多かった彼が松竹撮影所で見たのが、R」と書かれたスタジオだった。周囲のスタッフにこのスタジオが「立命館大学映像学部」のものであることを教えてもらう。その頃役者という仕事を続けること以外にも、時代劇に関わる方法があるのではないだろうかと若干の葛藤が芽生えてきた時期であり、自分の将来について考えていたタイミングだった。



「立命館大学映像学部は、ただ作るだけでなく、『プロデューサー』となる人材育成をめざす」―そんな情報をネットで知った彼の体にビビっと電気が走った。「『これや!』と。自分はもっと広い視野で時代劇を作っていきたいと思いました」。高校1年生の夏休み直前、個人面談で早速「立命館大学映像学部を受験する」と伝えた。当時のことを担任は今でも笑いながら「偏差値が10以上も足りない状況だったから、どうやって思いとどまらせようかとそればかり考えていた」と話す。

二つ目の出来事は、同じく「夫婦善哉」の役作りで昭和男子をイメージした「サザエさん」に出てくる「タラちゃん」のような髪型にしたこと。この「タラちゃんカット」によって、高校での友人からの呼び名が「タラちゃん」になった。このニックネームは、非常に都合がいい。自己紹介をする時に、「あだ名は『タラちゃん』です」と言うとたいていの人が食いついてくれる。そこから話が広がり、すぐに友達ができる。この出来事が今後の彼の人生を常にいい方向に導くことになる。

高校2年生で初めてオープンキャンパスに参加した。映像学部で受けたのがメディアアートを専門とするライオンズ先生の模擬授業だった。志望する分野(映画)と異なる授業に彼の好奇心は更に刺激された。「映画だけじゃなくて、こんな先端技術についても学べるんや!めっちゃ視野広がるやん!」。こうなったら彼のスイッチは常時オン状態。侍はいつしか剣をペンに換え、一気に勉学に打ち込んだ。おかげで、成績はグングン上がった。

AO入試と挫折

そして高校3年生。一般入試対策はおこなってきたが、「今までの役者経験が絶対に活きるだろう」とAO入試を受験した。この年、映像学部はAO入試改革をおこなっており、「映像撮影型」という方式が新たにスタートする年だった。この入試方式に関する情報はほとんどなく、対策の仕方もわからないまま受験の日を迎えた。面接で経験談は話せたが、撮影の実技やその作品をどういったストーリーでプレゼンするかなど、まったく対策をしてこなかったことが災いし、結果は「不合格」だった。後から同じ方式で合格したという友人に話を聞くと、皆情報はないながらも様々な想定をおこない、構成やプレゼンの対策をしていた。

「挫折」である。
あんなに常時オン状態だったスイッチがオフになった。自信がなくなり、勉強も身が入らず、目標を失い、周囲も驚くほど別人のように戦意喪失していた。

そんな時、世界史の担当だった先生から「お前の気持ちはそんなもんやったんか」と言われ、ようやく立ち直る。自分は何をスネていたんだろう。今は前を向いてやるしかない、と奮起し、再び受験日まで猛勉強を始めた。スイッチが切れることはもうなかった。世界史の先生にはその時のことを今でも感謝している。

やることはやった。あとは役者仕込みの「本番の強さ」も味方につけ、一般入試を4回受験。
見事、4つとも合格を勝ち取った 。

「侍」から「プロデューサー」へ

入学後はとにかくいろんな刺激を受けている。周囲には自分の知らない世界や知識をもっている人間がたくさんいる。映像学部はおもしろい授業が多く、質問があれば迷わず聞きに行き、メモを取る。印象に残ったことを書き綴った手帳を見ると、小さい字で色分けしてびっしりと埋められており、彼の知的好奇心の強さがひと目でわかる。



来年からは細井浩一先生のゼミでいよいよ時代劇復活に向けた戦略について本格的に研究を始める。

子供の頃からずっと「世界一の侍になりたい」とことあるごとに発し続けていたタラちゃん。
夢を語ると6割の人からはバカにされ3割の人にスルーされ1割の人にすごい興味をもってもらえた
その1割の人が彼を応援し、いろんな情報をくれて、人脈が広がり、更に次の1割につながってきた。彼は「これからも大きな声で夢や目標を発信していきたい」と笑顔で話す。

「侍」への夢は「プロデューサー」になったが、時代劇や撮影所、そしてそこで働く先輩たちが大好きという彼は今後も役者の仕事をできる限り続けていきながら、時代劇をあらゆる面から分析し、「復活」という目標に向かって突き進む。

★★そんなタラちゃんのTV出演情報です!★★
番組名 :ドラマスペシャル 松本清張「鬼畜」(玉木宏主演)テレビ朝日系
     番組公式サイト
放送日時:2017年12月24日(日)よる9:00放送
役どころ:『鈴木真二』というメガネをかけた印刷工場の工員役。インクをこねているそうです。
     台詞は1つしかないそうなので、瞬き厳禁!お見逃しなく!
※見逃した場合は、民放公式テレビポータルTVerなどでお楽しみください。

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