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映像学部卒業生谷口恒平監督作品『おっさんのケーフェイ』出町座にて公開スタート!!(4/6~)

2019.04.04

2019年度がスタートし、「13期生」が入学してきた映像学部。
2011年に初めて卒業生を送り出し、彼らの活躍によって、各業界で「立命館大学映像学部出身」というフレーズを本当によく見かけるようになりました。また、学部にも卒業生からの報告が続々と寄せられていて、充光館で蒔いた種がいろんなところで花を咲かせていることを実感します。

映像学部では、今年度そんな卒業生の活躍をこのEIZO VOICEや学部SNS(facebooktwitter)にて積極的にご紹介しようと思っています!今回はまず、第1期生の実写ゼミ出身、谷口恒平さんのご紹介です!

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2年前2017年の2月のこと、とある卒業生が映像学部事務室を来訪しました。
彼の名は谷口恒平さん。自主制作映画の完成報告と同年開催の大阪アジアン映画祭での上映を宣伝しに来られていました。

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谷口恒平監督(写真左)と深沢伸行先生(写真右)、奥には小さく機材庫近藤さんの姿も。

谷口さんは2007年に映像学部1期生として立命館大学に入学し、3回生から実写ゼミに所属。1期生の個性豊かな同期に刺激を受けながら映画制作に邁進する学生生活を送り、20代半ばぐらいで映画監督として華々しくデビューする自分を思い描きながら、映像学部を卒業しました。

「でも、現実はとても厳しかったです」と語る谷口さんが卒業後、初めて監督としてお金をもらったのは、ヤラセの心霊ビデオだったそうです。「本当にあった」という謳い文句で、ウソを本当のことのように映像にしながらも「あくまで事実」として売り出すことに罪悪感を感じつつ、「ちょっとしたロマンのようなもの」を感じたと言います。

そんな『ウソと本当』が描くロマンから発想したのが、現在公開されている映画『おっさんのケーフェイ』です。現在各地で公開がスタートし、いよいよ4月6日(土)から京都・出町座で上映されます!


本作品は、大阪市の助成事業CO2(シネアスト・オーガニゼーション大阪)に選定され、助成を受けながら制作されました。謎のおっさん覆面プロレスラーと、プロレスと出会って生まれて初めて夢中になれるものをみつけた少年との交流の日々が綴られた映画です。

プロレスを知らない者にとってはなじみのない「ケーフェイ」という言葉はとても定義が曖昧で、意味を検索しても「ビジネスの秘密を守る」「タブー」「捏造」など諸説あります。映画を観れば、谷口監督が映像の世界に感じた『ウソと本当』のロマンと、プロレスが魅せる「ケーフェイ」の意味がわかるかもしれません。

映画については数々の監督インタビュー記事がインターネットで公開されており、新宿K's cinemaでの公開期間中(ここでの上映は既に終了)は、公開前から話題となっていたこともあり、チケットが完売する日もあったほどの大盛況!監督や出演者による舞台挨拶などのキャンペーン効果もあいまって、口コミでじわじわとその人気が遠く京都にも聞こえて来ました!谷口さんが運営する「谷口恒平@『おっさんのケーフェイ』」twitterでも映画を観終わった観客の感動や興奮の声が日々紹介されています。

2年前、インタビューをおこなった時は、一般公開未定であったことからここまでの盛り上がりを実感とともに紹介することができませんでした。

この谷口さんの活躍を、映像学部の恩師深沢伸行先生はどのように見ているのでしょうか。伺ってみました。

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「谷口くんは、在学時から社会で起きている事件や問題などにとても関心があり、自ら取材などをおこなって作品作りをしたりしていました。卒業制作も実際にあった事件を題材にしながら制作しました。

そんな彼らしさがこの『おっさんのケーフェイ』にもすごく詰まっている気がします。社会の中で起きている家族の問題を捉えながら、大人の醜い部分とそれを抱えて生きる大人の生き様みたいなものを描いていて、観ている人もそれぞれに自分事として身近に感じ、共感できるものがあるように思います。

常に社会に対して憤りや不満を抱えていて、そういう所がものづくりへのモチベーションにつながっているし、それが観客にも伝わるのではないでしょうか。これからも引き続き社会に何かを訴えかけるようなドラマが撮れる監督になっていってほしいですね」

"実は本作のシナリオ構想過程から谷口監督とやりとりをして、色々とサポートさせてもらいました"と笑顔で語る深沢先生。先生にとっても特別な作品になったようです!

『おっさんのケーフェイ』は4月6日(土)より京都の出町座にて上映がスタートします。

皆さんも是非、映像学部出身谷口恒平監督の映画を観に、今もっともホットな映画館出町座に足をお運びください!!

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