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北米CG研修観察日記~若きクリエイターと過ごした9日間~ Part③を公開!

2019.10.29

映像学部では、近代ハリウッド映画において、CGがどのように発展してきたかを学ぶ授業として、「特殊講義(専門Ⅰ)ハリウッド映画におけるCG史(担当教員:北原聡)」を開講しています。この授業では、CGそのものの発展史だけではなく、ハリウッドのCG制作会社の歴史と活躍についても学ぶとともに、実際にハリウッド最先端のCG制作現場を視察し、世界を目指すクリエイター、プロデューサーとしての意識を醸成します。

今年は14名(3回生2名、2回生12名)の学生が参加し、笑いあり、涙あり、感動ありまくりのファンタスティックな9日間を過ごしてきました。
今回は第三弾の最終レポートになります!

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Part③(Part①Part②はこちら)

【10月19日(土)@衣笠キャンパス】
映像学部で先日開催された公開型イベント『ジャンキャリ(EIZO JUNCTION×キャリアフェア)』。
ここでは、学生による研究発表・展示・上映を行ったり、企業から講師を招聘し映像業界に関わる講演会を実施しました。

この「ジャンキャリ」には、北米CG研修受講メンバーも作品展示、プレゼン発表、ゼミ選択の情報収集のため参加していました。

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今年度のジャンキャリアワード最優秀賞<展示部門>は、2017年度に参加したメンバーが受賞しました

北米から帰国して、早くも1か月。
秋学期が始まり、メンバーもそれぞれ忙しい毎日を送っているようです。
なんだか、あの9日間が遠い昔のようですね。

参加したメンバーの大半は2回生であり、現在、ゼミ選択の時期を迎えています。
これまで学んできたこと、自分の好きなこと、得意とすること、卒業後のこと、まさにこれから進む未来を見据えて、いろんな視点で悩んでいる時期でしょう。

懐かしさすら感じる北米研修ですが、あの熱かった日々、その中でも特に熱くなった「エンターテインメント研修編」を今日は振り返りたいと思います。最終編です!


【北米研修4日目:エンターテインメント研修】
9月14日(土)AM7:30

3日目までの企業研修とはガラッとかわり、今日からはエンターテインメント研修です。
エンターテインメント研修の場所は、なんとディズニーランド・パーク、ディズニーカリフォルニアアドベンチャー・パークです!!

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え??遊びじゃないの??

いえいえ、これはれっきとした研修です。

将来、世界を舞台に活躍するクリエイターを目指している学生たちにとっては、「エンターテインメント=人を楽しませること、感動させること」とは何か、という問いに常に応え続けなければなりません。
そのために、様々な経験を積むこと、本物に触れることはとても重要なことなのです。

このエンターテインメント研修は「お客さんとして楽しむ」ということではなく、「創り手の視点」にたって、アトラクションやショーの演出、映像の仕掛け、効果音、人々の反応などを学んでいます。
昨日訪問した企業も実際にアトラクションの映像を手掛けられています。

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最後は、夜のエンターテインメントショー“World of color”を観覧。このショーは噴水や幅90メートルにも及ぶ霧のスクリーンにディズニーアニメーションの映像などを投影し、水、火、ライト、音楽を織り交ぜたとても華やかな公演です。
この華やかな時間に多くの人が魅了されていました。

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【5日目:ラスベガス研修】
9月15日(日)AM9:00

今日は、ラスベガスへ移動します。なんと飛行機ではなく、陸路です。
なぜ、8時間もかけて陸路移動をするのか。

実は、北米研修の目玉の一つでもあるのが、このロサンゼルス~ラスベガス間の陸路移動なのです。
国道66号線(通称:Route 66)は、アメリカ合衆国中東部のイリノイ州シカゴと西部のカリフォルニア州サンタモニカを結ぶ国道でした。大陸を横断するこの道はアメリカ西部の発展を促進した重要な国道であり、映画や小説、音楽など多くのアメリカのポップ・カルチャーの題材にされています。
広大なアメリカの地や砂漠を走り抜ける長蛇の貨物列車、時折現れる小さな町の風景などその壮大な空間は赫々たる歴史や伝統文化を溶け込ませ、私たちに静かに語り掛けてくれます。みんなイマジネーションが高まったのではないでしょうか。

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カルフォルニア州とネバタ州の堺目にプリム(Primm)という小さな砂漠の街があります。ここは、「西部開拓時代のゴーストタウン」がテーマということで、ホテル(Buffalo Bill's Hotel & Casino)もウェスタン調の木造建築風にデザインされています。
このホテルの目玉は、世界一の落差といわれるデスペラードジェットコースター(もちろん木製)です。
昨日のディズニー研修で、絶叫系アトラクションを克服したメンバーもいたことから、いざ、挑戦。

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・・・・・・。
こればかりはとても、怖かった・・・。

さて、そんなこんなで早くもラスベガスへ到着!

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ラスベガスの主要産業は、カジノですが、21歳以下の学生たちはカジノの中に入ることも遠巻きに見学することも禁じられています。ここで学生たちは、カジノに次ぐ観光産業であるショーについて学びます。

ラスベガスの街中では、フリー(無料)で観ることができるエンターテイメントが常に開催されています。ホテルの前庭や、ショッピングアーケード、レストラン、カジノ内など、様々なスポットで観光客たちを魅了しています。水や炎、CG映像など派手な演出と大スケールの舞台が、煌びやかに街を彩っています。

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噴水ショー(FOUNTAIN SHOW at BELLAGIO)べラージオホテル前

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ショッピングセンターショー アトランティス(ATLANTIS )

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噴火ショー ボルケーノ(VOLCANO )ミラージュホテル玄関前

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【6日目:ラスベガス研修】
9月16日(月)AM7:50

本日は、ラスベガスの大自然、先住民の文化や伝統に触れる一日です。

まずは、ラスベガス郊外にあるレッドロックキャニオン国立保護区(Red Rock Canyon National Conservation Area)へ。ラスベガスの中心地からそれほど離れてはいませんが、カジノと娯楽の街からは想像できない程の大自然が広がっています。
赤をベースに色彩豊かな岩山とそれを横切る綺麗な断層、果てしなく続く大地に圧倒されながらも、童心に返ったようにみんなで岩登りを満喫しました。

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この研修期間、様々なシーンを記録してくれているメンバー(通称:くま)。プロカメラマンみたいですね!

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その後は、ハリウッド映画の題材ともなっているフーバーダムへ。
アリゾナ州とネバダ州の州境に位置するコロラド川のブラック狭谷にある多目的ダムです。技術、政治、歴史の面からアメリカにとって大変重要な意味を持つ建造物です。

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夜のミーティングを終えて、解散!
・・・というところで!!北原先生からとてもすてきなサプライズが!!

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この研修中に、お誕生日を迎えた仲間のバースディーパーティーが行われました。
まさかのサプライズ企画にみんなとっても嬉しそうです。

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【7日目:ラスベガス研修】
9月17日(火)
研修としては、とうとう最終日。
3:30に起床し、全員でグランドキャニオンへ。

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これまで観て来た風景とはヒトアジもフタアジも違う、雄大で神秘的な光景に魅了され、睡眠不足も吹っ飛びました。

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ホテルに戻ると夜までは、初めてのフリータイム。
限られた時間ではありますが、みんな思い思いの時間を過ごしました。

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PM 19:00

北米研修、クライマックスはLe Reve(ルレーヴ)を観賞。
Le Reveはフランス語で「夢」。水上、水中、空中で行なわれるアクロバット系のショーです。
高い天井を生かし、高い位置からのダイビングや空中パフォーマンスなど華やかで力強い演技が繰り広げられます。
息を呑むスペクタクルなパフォーマンスに終始、心が奪われます。
これまでの研修参加者からも「クリエイターを目指すのであれば、若いときから高いお金を払ってでも感動する経験をたくさん積むことが大切」と言い継がれてきたとおり、最高峰の舞台に観賞後も熱が冷めません。

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【最終日:日本へ】
9月18日(水)
AM 4:30 起床。
濃密な9日間が終わり、ついに帰国へ。

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伝統と革新の混在した文化、イノベーティブな取り組みを支える最先端の科学技術、そして、多くの人々の夢や喜びから創られる最高峰のエンターテインメント。
たくさんの人との出会いを通して、また、北米という日常とかけ離れた場所での学びを通して、メンバーが得たものは数えきれないほどあると思います。

今や「グローバル人材」はとても慣れ親しんだ言葉ですが、大切なことは「多文化協働」の意識をもって、行動できることではないでしょうか。
自国のアイデンティティをしっかりと認識しながら、他国の文化をリスペクトできる器量、言葉や生活習慣、価値観などが異なる人と共に働き、新しいクリエイティブな活動を生み出せる力。これこそが、学生の皆さんだからこそ身に着けられることではないでしょうか。
今回は、「北米」という異国の地でしたが、多文化環境で新たな価値を生みだす力を育む場は、様々に存在しています。大学生活では、是非「自分の好きなこと」をとことん研究し、制作をし続けてください。

きっと、将来、皆さんの大切な夢が叶うと信じています。

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(メンバーのデイリーレポート&事後授業より)
・今回の研修は、幼い頃を思い出すような日々でした。これだけ、毎日新しいものに触れ、経験することはないと思う。日本であろうと海外であろうと未知の土地に行くことが面白そうだと感じることができた。
・センスは自分で磨くものであり、特定分野の専門家になることが大切だという話を聞いて、今まで数学を避けてきたけれど、物理シミュレーションにも手をつけてみようという気持ちになった。
・二度と体験できないものだと感じているし、かけがえのない時間になりました。何かを理解するためには、体験することがこんなにも大切であることを今まで、知らなかった。情報化が進む時代にyoutubeの映像だけではわからない「本質」は「経験すること」で得られるのだと強く感じた。
・ハリウッドは「こだわり」で溢れていました。「こだわり(=自分の個性)」について、芸術性を高めながら生み出せるようにこれからもっと勉強します。
・この研修でなければ、こんなに多くの企業に訪問することができなかった。視野が広がる貴重な機会となった。将来自分は本当に何がしたいのかを改めて考えさせられたし、この職につけてよかったなと思えるように頑張りたい。
・世界の広さ、自分の無力さ、実際に体験することの大切さを感じた9日間だった。今しか、できないことをしようと思う!!
・映像学部に入学し、色んな知識や夢を持った仲間に出会い、様々な道への扉を目にしました。今回の研修を通して、色んな感情を抱きました。感情、思い出、発見、好きなことを大切にして、これからの作品、人生に活かしていきたいと思います。


(北原聡先生より)
「センスを磨くこと」というのは、一見、難しそうに感じるけれど、実はそんなに難しいことではない。色んなものを観て、たくさん制作をしたらいい。その繰り返しで、センスは自然に身についてくる。
この研修を通して、人よりたくさんの経験と感動をすることがクリエイターとして何よりも大切であることを感じたのではないでしょうか。この9日間が皆さんの人生においてターニングポイントとなってくれることを願っています。

How will you spend your university life from now on??
We hope you have a wonderful time and make your dream become a reality.
We know you can do it!!


*おわり*

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