EIZOVOICE

SIGGRAPH ASIA 2021 in TOKYO 大島研究室が映像学部の学びを発信!

2022.1.13

 2021年12月15日(水)~12月17日(金)にかけて、東京国際フォーラムにて開催された、SIGGRAPH ASIA 2021に、大島登志一研究室より学生6名が参加、研究発表を行い、学部での学びを発信してきました。

cias/db20220112
【(左から)大島登志一教授、山本千紗さん(学部4回生)、渡邉竜さん(学部4回生)、渡邊朱莉さん(学部3回生)、小路宗太さん(学部4回生)、雲天さん(学部4回生)、(右下)室井克仁さん(学部2回生)】

 SIGGRAPH ASIAは、最新のデジタル映像やインタラクション技術に関するアジア最大の国際カンファレンス&展示会です。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年はオンラインのみの開催となりましたが、2021年は、東京でのオンサイト会場とオンラインによるハイブリッドでの開催となり、オンサイト会場で発表を行いました。

cias/db20220112-2
 
 会期中は、最先端の映像テクノロジーの発表、デバイスやソフトウェアの企業展示、テクノロジー・アートの展示、国際会議や特別講義など、多岐にわたるプログラムがあり、高校生から映像の専門家まで幅広い層が来場されました。

 映像学部では、研究発表も含めて2014年から継続的にこのカンファレンスで、映像学部の学びについて発信を続けています。今年は、Emerging Technologiesエリアで研究発表、映像学部でブースを出展し、卒業研究の発表をおこないました。

〇Emerging Technologiesエリア〇
 映像学部からは、大島研究室での研究がカンファレンスのデモ発表部門Emerging Technologyに採択されオンサイトでの発表をおこないました。

cias/db20220112-3


〇映像学部ブース〇
 映像学部ブースでは、同研究室の渡邉竜さん(学部4回生)、山本知沙さん(学部4回生)による卒業研究を2件展示し、立命館映像展(卒業展示会)に先立って、学生自ら来場者に向けて発表しました。

cias/db20220112-4

cias/db20220112-5

 初日は映像学部ブースに150名を超える方が来られました。連日途切れない来場者に、学生らは丁寧に対応し、熱心に説明していました。
 また、どちらの研究内容も、大人から子供まで楽しみながら学習できるものでした。ブースに来られた方々は大変興味をもたれ、たくさん質問をしていました。

cias/db20220112-6
【小さなお子さんも興味津々!!】

cias/db20220112-7

 高校生や外国人の方も、映像学部の学びについて熱心に質問をされていました。サポートスタッフとして同行した小路宗太さん(学部4回生)、雲天さん(学部4回生)は、主にEmerging Technologiesエリアで真剣に説明していました。

cias/db20220112-8
【大島先生のサポート中の雲天さんと小路さん】

 学部ブースでは渡邊朱莉さん(学部3回生)が先輩の研究内容をしっかりとわかりやすく説明していました。室井克仁さん(学部2回生)は、外国人の方に英語で対応していました。

cias/db20220112-9
【先輩の研究を説明中の様子】

cias/db20220112-10
【学部での学びについても発信しました!】

 新型コロナウイルスの影響もあり、海外からの来場者は多くありませんでしたが、国内からたくさんの方が来場され、映像学部の学びに大変興味をもっていただけました。
 特に4回生は、卒業研究の成果物の提出が12月13日という開催前々日でとてもタイトなスケジュールでしたが、忙しい中でも、開催に向けてしっかり準備をし、研究内容をアピールすることができました。
 なかなかオンサイトで発表する機会が制限されている中で、今回の機会は学生にとっても、自分の研究についてアドバイスをもらいながら、自信に繋がるとても貴重な機会だったと思います。

 4回生は卒業まであと少しですが2月に開催される「映像展」に向けて、3回生は来年の卒業研究に向けて、2回生はこれらはじまるゼミに向けて、頑張っていきましょう!

cias/db20220112-11
【3日間お疲れ様でした!】

◆今回発表した研究内容について◆
①2019年度西元魁さんの研究を大島研究室で発展させた発表(Emerging Technology採択作品) 
HoloBurner: Mixed Reality Equipment for Learning Flame Color Reaction by using Aerial Imaging Display
(空中像ディスプレイを用いたバーチャルな炎色反応実験教材の研究)
cias/db20220112-12
 この研究では、物質の特性を理解する基本的な化学実験である炎色反応を取り上げ、元素の種類を理解することと、ガスバーナーの操作方法を安全に学ぶことができるバーチャルな化学実験教材を研究しています。
 このシステムでは、実際の実験器具であるガスバーナーにセンサ類を備えて、安全かつ実際に実験を行なっているかのような学習体験システムを開発しました。また、炎を空間結像型空中像ディスプレイに表示することにより、ユーザがより現実の実験に近い体験を行うことを可能にしています。

②2021年度渡邉竜さんの研究発表
CARAMEL: Physical Mixed Reality Circuit Simulator for Lerning of Electricity Basics
(電子ブロックと投影型ARを用いて電気の基礎を学ぶインタラクティブ理科教材の研究)
cias/db20220112-13-2
 この研究では、電子ブロック式のユーザインタフェースと机上への投影を組み合わせることで、ユーザが電子回路を組んで、その電流や電圧の挙動を視覚的に学べる教材の開発を行いました。
 この教材では、回路内での電圧の変化や電流の量、方向といった実際には見ることができない現象を可視化することにより、理解を促進させる教材の実現を目的としています。ユーザは、市販のレゴブロックに電子部品を組み込んだブロックを並べることで実際に電子回路を組むことができます。さらに、組んだ電子回路と同期して電流と電圧の挙動をシミュレーションし、ブロックの上にその状況を投影しています。

③2021年度山本知沙さんの研究発表
ImayohClay: Mixed Reality Tools for Exploring Japanese Traditional Colors by Using Clay Interface
(粘土型インタフェースを用いた色と言葉に親しむためのAR教材)
cias/db20220112-14
  この研究では、手を使う体験を重視して、粘土をインタフェースとして活用し「色」と「言葉」を関連付けながら楽しく学べるARシステムを試作しました。ユーザは実際に手を動かして、粘土の造形と着色、混色による色の創造を楽しむことができます。
 着色と混色は投影によって表現され、色の名前として日本の伝統的な色彩語を採用することで、伝統的な色名を通して、日本の言語文化や歴史に触れ、豊かな言語感覚を養うことを期待します。
 この研究は粘土の着色や造形などの体験を通して、学習の動機づけを高めることを目的としています。


一覧へ