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学部における政策科学研究の成果発信 ―2014年度PSアカデミック・フェスタの開催

政策科学部では各回生の優秀者が研究成果を発表するアカデミック・フェスタを毎年12月におこなっています。今年度は、12月19日(金)に以学館1号ホールで開催されました。この研究発表会は、3・4回生ゼミである専門演習における優秀者が発表を競い合うPS Exposition(Policy Science Exposition) 本選と1回生ゼミであるプロジェクト入門、2回生ゼミである研究入門フォーラムの最優秀賞受賞者による発表から構成されています。

当日は、まずPS Exposition本選からおこなわれました。今年度は5組が、各ゼミで実施される第1次予選(~11月7日)、各ゼミ代表者が公共政策系分科会、環境開発系分科会、社会マネジメント系分科会に分かれて競い合う第2次予選(12月2日)を経て出場しました。

今年度の本選出場者の研究テーマは、学生ならではのユニークな視点から身近な制度・政策の問題点を探った研究テーマ、グローバル化がさらに進行するなかで、日本がアジアの近隣諸国との間で貢献できる方策を考察する研究テーマを設定する出場者が目立ちました。しかし、どの研究も複雑多様化する課題をテーマ設定し、政策科学部生らしい多角的な分析手法を用いていました。

そのなかで優勝したのは、「キャンパス内全面禁煙による周辺地域への影響」という研究テーマで発表したグループです。キャンパス内全面禁煙によって周辺地域に発生する負の外部性を検証すべく、多くの衣笠キャンパス内外の関係者の協力を得て、聞き取り調査を重ねたアクティヴな研究で、アクション・リサーチの良さが表れていました。

準優勝者の研究テーマは「日本企業におけるBOPビジネスと貧困削減に関する一考察」です。貧困削減と収益との両立を目指すBOP(Base of the Economic Pyramid)ビジネスが、日本企業では遅れている原因を多角的に分析した意欲的な研究です。さらに、「就労継続支援B型事業所に対する地方自治体の財政的補助に関する考察 -大阪府箕面市を事例とした制度と実態-」「民法における時効制度について -短期消滅時効を中心に-」「商店街と高齢者の相互関係に関する研究」と続きました。

次に1・2回生の最優秀賞受賞者による発表がおこなわれました。1回生のプロジェクト入門リサーチ・プロポーザル・コンペティション最優秀賞受賞者の発表は「日本の安全保障の現状と対ASEAN外交の重要性」で、先行研究批判を十分におこなったことによって今後の研究の発展を期待できそうな研究です。最後に、2回生の研究入門フォーラム最優秀プロジェクトが、海外フィールドワーク、グループワークを最大限に活かして、日本企業が抱える国際経営、政府や市場との関係など様々な問題分析をした「日本企業の中国インフラ・ビジネス参入の障壁 -生活ゴミ焼却処理事業を中心として-」と題する発表をおこないました。

PSアカデミック・フェスタは今年度で10回目の節目を迎えますが、同時に衣笠キャンパスにおける最後の開催となりました。次年度より政策科学部は大阪いばらきキャンパスへ移転しますが、本行事は引き続き、学部における実践的な学びの一環として、学年を超えた学生スタッフによって企画・運営され、正に今回の企画テーマのように「新しい発見 羽ばたく政策」となっていくことでしょう。

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