2012.03.16 2011年度 立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)食料研究拠点シンポジウム「立命館が考える農業の六次産業化」を開催

3月16日(金)、びわこ・くさつキャンパス(BKC)において、立命館グローバル・イノベーション研究機構(以下、R-GIRO)食料研究拠点シンポジウム「立命館が考える農業の六次産業化」を開催した。

  今日、日本の農業は、担い手の高齢化、耕作放棄地の拡大、農山村の荒廃などにより、食料自給率の低下の危惧が高まっている。その一方で、第一次産業に、第 二次、第三次産業を有機的に融合させた六次産業化を通じて、地域を活性化する動きが出てきている。本シンポジウムは、R-GIROの理念である「地球の自 然回帰」を融合し、日本の農業を若者に魅力ある産業へと変革していく方向性について議論することを目的としたものである。

 シンポジウム の第一部では、まず、村上 正紀・R-GIRO機構長代理(立命館副総長)による開会挨拶に始まり、「地域複合アグリビジネスと六次産業化」と題して株式会社農都共生総合研究所会長 であり、北海道大学客員教授である川辺紘一氏が基調講演を行った。基調講講演の中で川辺氏は、成長・拡大から成熟化・定常化へと変化する先進国の社会の変 化や機能不全に陥っている国家や市場、グローバルな観点から見た日本の農業について言及。これからの日本の農業の目指すべき方向性について、「農業の六次 産業化を通じて、就業・所得の機会を拡大し、農村地域の再生・活性化を目指すべき」と、農村を若者にとって魅力のあるものとして再生・活性化する重要性を 語った。

 第二部では、立命館大学の取り組みとして11名の若手研究者による最新の研究成果の発表とポスターセッションが行われた。若手研究者と来場者が活発に意見を交換する姿が見られた。

  第三部では、「地域で六次産業化をどう進めるか?」と題して、パネルディカッションを開催。松原豊彦・経済学部長(経済学部教授)がコーディネーターを務 め、パネリストに川辺氏、川端均氏(おうみ冨士農業協同組合 ファーマーズマーケット事業部部長)、西垣広志氏(青花食研株式会社 取締役、株式会社スピルリナ研究所 専務取締役)、林田久充氏(草津総合政策部 理事 兼 草津未来研究所 副所長)、久保幹・生命科学部教授、柴田晃・衣笠総合研究機構客員教授の6名が参加し、地域の六次産業化を進めるために必要条件や環境について、意見交換 を行った。議論のまとめとして、「農村の六次産業を実現させるためには、さまざまな分野の人たちが、持続的に取り組んでいくことが重要である」と、理工系 や文社系、行政や大学、産業界など、分野を超えた人々の協力の重要性を語った。
 会場には140名を超える参加者が訪れ、盛況のうちに幕を閉じた。また、講演終了後に行われた交流会においてもさまざまな意見交換が行われた。 

川辺紘一氏による基調講演の様子 ポスターセッションの様子 パネルディスカッションの様子