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04.15

PEOPLE

2016

何が「人を動かす」のか?学問の「型」を学び、実践していく。


紀國 洋教授

担当科目基礎ミクロ経済学
研究テーマ知的財産権制度の経済分析/拡大生産者責任制度の経済分析/競争政策の経済分析
主な研究高度で複雑な技術が用いられる新製品開発には、さまざまな企業から特許許諾を得なければならない。そのなかで注目を集めているのが、企業が協力関係を結び、新製品開発における特許許諾を一括管理する仕組み「パテントプール」。その有効な組み方やライセンス料の設定方法などについて研究を行っている。

金銭も社会的評価も、「人を動かすインセンティブ」。

アメリカの経済学者の論文に、大相撲の星取表から不自然な勝敗を調べ、八百長の存在を計測したものがあります。特殊な研究に思われるかもしれませんが、こういった研究の積み重ねが人々のヤル気を引き出す人事システムの提案につながっていきます。
経済学というとお金の動きを研究する学問というイメージが強いようですが、「格差はなぜ生じるのか?」「幸福とは何か?」「美人は得か?」「早生まれは損か?」など、人間のあらゆる活動が経済学の研究対象となるんです。

「何が人を動かすのか?」つまり「インセンティブ」は経済学の根本的なテーマです。従来の経済学は主要なインセンティブとして金銭的なものを取り上げてきましたが、近年では金銭に換算されないインセンティブの研究が進んでいます。たとえば、通行人に「荷物を運んでほしい」と依頼する実験があったのですが、少額の報酬を提示するよりも、無償で依頼する場合の方が、協力者が多かったのです。
これまでの経済学で考えれば、たとえ少額でも報酬がある方が、動く人は多いはずでした。しかし、協力者の誇りを保つという意味では、無償の方が優位だったのでしょう。よりよい社会のシステムを設計していくためには、金銭的なインセンティブだけではなく、社会やコミュニティ内での評価というインセンティブも考えなければならない。そうした観点から、最近では「行動経済学」という学問が注目を集めています。

経済学で培った論理思考能力で、国際シーンでも渡り合える人材に。

人間の行動と、それによって構成される社会の動きはとても複雑です。
立命館大学経済学部では、そうした複雑な問題に取り組むための論理的思考力を鍛えていくことができます。講義のなかでミクロ経済学・マクロ経済学・社会経済学といった学問の「型」を学び、少人数制のゼミでその応用を実践する。そうすることで社会で直面する問題を解決する能力を養っていくことができます。

これから皆さんの前に立ちはだかる問題の多くは、初めて出会うものばかりです。変化の激しい今日にあって、前例やマニュアルが役立つことはほとんど無いでしょう。経済学は「根本から考えること」「大局的に考えること」「考えるための軸を持つこと」を重視しています。卒業生によれば、日本よりも論理思考教育が進んだ欧米人と交渉しなければならない国際ビジネスの場でも、経済学で培った論理思考能力が役立っているそうです。

まずは、世の中で起こっていることに関心を持ってください。自分の身近にある問題でも構いません、「考える力」は「好奇心」から生まれるものですから。

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