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04.15

PEOPLE

2016

「途上国の問題」と「滋賀の問題」、互いの経験から解決策を見出す。


高屋 和子教授

担当科目中国経済論、中国語経済学入門等
研究テーマ中国の農業と食糧安全保障/北東アジアの経済協力
主な研究急成長する中国では、所得の向上に伴って人々の食生活も変化している。まだ食糧自給率は高いものの、肉などを積極的に食べるようになれば、その消費量は膨大なものになると予想される。すでにトウモロコシについては輸入国になりつつあり、大豆にいたっては世界で輸出されている6割を輸入。こうした食糧問題を通して、世界の動きや戦略を研究している。

「デートの行き先をどこにしよう?」それも一種の経済活動。

たとえばデートなら「どこに行けば最も効用が大きいか」といったことを予算もふまえながら選ぶように、人は誰もが毎日さまざまな選択を行っています。こうした選択が集まって動くのが、経済です。
「経済学」と聞くとお金や株のイメージがあるかもしれませんが、政治や歴史、地理、宗教、風習、価値観など、さまざまなものと関連がありますし、最近では脳科学や心理学との融合も注目されています。経済学の本当の面白さは、その幅広さと奥深さにあるのではないでしょうか。

こうした多様な経済学の学びに対応するため、立命館大学経済学部には66名の個性豊かな教員がそろっています。私のようにある国や地域について研究している教員もいれば、社会福祉やフェアトレードをテーマにしている教員、官僚として実際に政策などに関わってきた教員、JICA(独立行政法人国際協力機構)に所属していた教員もいます。学生が「これを学びたい」と思ったら、それに応える教員がいるというのは立命館大学経済学部の大きな魅力だと思います。

※経済学では、商品やサービスを消費して得られる満足度を「効用」と呼びます。

英語圏や中国、東南アジアへ赴き、肌で感じ、学んでほしい。

「さまざまな分野の研究を集めて議論し、新しい解決策やより良い方策を探していこう」というのが、経済学の特長です。
たとえばある教授の研究では、タイの経済活性化が必要な地域と滋賀の限界集落を結びつけて考える「共生」プロジェクトを模索しています。滋賀県長浜市が成功を収めた黒壁プロジェクトをタイのある地域で応用できるか検討したり、タイ・ラオスも抱える高齢化問題について協議したり、お互いの経験を伝え合うことで、自国だけでは気づかなかった対策を見出そうというものです。タイ・ラオスでの調査には学生も参加して、積極的に解決策の提案もしてもらっています。

誰もがどこかの地域に暮らしていく以上、こうした地域貢献・課題について思考を巡らす機会は非常に重要です。
経済学部の語学研修やフィールドワークプログラムでは、英語圏はもちろん中国や東南アジアへも行くことができます。たとえば中国に足を運び、その目で見れば、メディアが報じるイメージとは異なる側面がいくつもあることに気づけるでしょう。ついつい支援や教育といった視点で見がちですが、よく見れば日本よりも進んでいる側面だってありますから。物価はどうか、暮らしぶりはどうか、多様な経済・社会・価値観を肌で感じ、学ぶことは、貴重な経験です。
どんどん海外に出て行って、いろいろなことを吸収してもらいたいと思います。また、そういった好奇心を持った学生と出会えることを期待しています。

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