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01.29

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2019

【研究紹介】細谷亨准教授『日本帝国の膨張・崩壊と満蒙開拓団』の刊行

本学部の細谷亨准教授による初の単著『日本帝国の膨張・崩壊と満蒙開拓団』(有志舎)が1月に刊行されました。本書は、昭和戦前~戦時中に日本農村から中国東北地方(旧満州)に送り出された満蒙開拓団を、社会経済史・歴史学の手法を用いて研究したものです。


満蒙開拓団と中国残留日本人については、一般的には、山崎豊子氏の小説『大地の子』でよく知られていますが、学術的な面では、地域からの移民の送り出しや満洲現地での農業経営・他の民族との関わり、引き揚げ後の生活再建など、その実態について未だよくわかっていないことが多いのが実情です。本書では、そうした未解明の領域に対して、日中双方の膨大な史料に基づく詳細な分析がなされており、満蒙開拓団研究のみならず、戦争の歴史を含む日本近現代史研究を前に進めるうえでも、重要な成果と言えます。


先生によれば、外国人労働力の問題などグローバル化が進む現代日本社会(「多民族共存」)のあり方や少子高齢化のなかでの「地域づくり」、領土問題や歴史認識をめぐって緊張の高まることが多い日中関係あるいは日韓関係のこれからを考えるうえでも、本書のような歴史研究は大きな意味を持っているので、より多くの人に手に取って頂きたい、とのことでした。

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