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12.22

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2020

「渚と森の青空ブックカフェプロジェクト」分析結果速報!

2020年11月7日(土)と8日(日)、寺脇拓ゼミ主催の「渚と森の青空ブックカフェ」イベントが、琵琶湖の畔にあるなぎさ公園で開催されました。二日間で約80名の方々にご参加いただき、大きな問題もなく、盛況のうちに終えることができました。イベントの翌日には、クラウドファンディングの支援金額も100%に達しました。ご後援をいただいた大津市様、ご出店いただいた古書店の皆様、イベントの開催にご協力いただいたまちづくり大津様、ブックカフェの皆様はもちろんのこと、大学関係者、利用者、支援者の皆様など、多くの方々に支えられて、当イベントを成功裏に終えることができました。改めて厚くお礼申し上げます。201222terawakizemi 1

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その後、ゼミの学生らは、イベント時に行ったアンケート調査データを分析し、次の主要な結果を得ました。これらの知見が、今後のブックカフェの普及に資するものとなればうれしく思います。

1. ブックカフェではないカフェ(普通のカフェ)と、その普通のカフェよりも高い価格でコーヒーが提供されるブックカフェとを比較するとき、人々は、そのコーヒーの価格差が約140円までであれば、ブックカフェを選択する。

2. ブックカフェではないカフェ(普通のカフェ)と、その普通のカフェよりも駅から離れた場所に位置するブックカフェとを比較するとき、人々は、その移動時間の差が徒歩約7分までであれば、ブックカフェを選択する。

3. ブックカフェではないカフェ(普通のカフェ)と、その普通のカフェよりも高い価格でコーヒーが提供されるオープンテラス付きのブックカフェとを比較するとき、人々は、そのコーヒーの価格差が約327円までであれば、オープンテラス付きのブックカフェを選択する。

4. 「ブックカフェ」と「オープンテラス付き」という二つのカフェ属性から得られる効用は独立しておらず、それらが組み合わさることで人々の効用は部分的に相殺される。これは、人々はこれら二つのカフェ属性をそれぞれ魅力的に感じながらも、どちらかといえば、屋内の静かな環境でブックカフェを楽しみたいと考える傾向があることを含意する。

5. 年代が高くなるほど、ブックカフェではないカフェよりも、ブックカフェを選好する。

6. 「渚と森の青空ブックカフェ」利用者の当イベントへの訪問一回当たりの便益は371円となる。もし、毎週末にこのイベントが開催され、それぞれ二日間で80人の利用者があったと仮定すると、当イベントがもたらす社会便益は年間約154万円と推定される。

今回学生らは、このコロナ禍のもと、徹底した感染防止対策をとりながら、ぎりぎりのスケジュールの中で、約3カ月に渡って綿密に準備を進めてきました。開催の前日、降水確率90%の予報を前にして、夜遅くまで初日のイベント開催の是非を侃侃諤諤と議論し、最終的には、全員が納得する形で開催にこぎつけた姿に、大きな成長を感じました。一人でも感染者が出たら、緊急事態宣言が出たら、当日雨が降ったら、すべての努力が無駄になるというリスクだらけの状況の中で、常に前を向き、お互いに支え合いながら活動に取り組み、結果として立派に成果を上げられた学生の皆さんを心から誇りに思います。

 寺脇拓201222terawakizemi 5



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