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07.05

PEOPLE

2016

なぜ日本でバター不足が起きたのか-酪農と市場・貿易の観点から-


中島 侑香さん

学科・回生経済学科・2回生
出身京都府立桃山高等学校 出身

 ここ数年、日本でバター不足が続き、2015年にはバターの値上げ・品薄・売り切れが深刻な問題となりました。

 なぜ日本でバター不足が起きたのか、バター不足を根本的に解決するにはどのような対策が必要かを1回生有志の研究グループで調査・分析しました。

 まず、主婦層を対象としたアンケートを行い、バター不足がどれほど消費者に浸透しているか、消費者のバターやマーガリンに対する需要を調査。その結果、バターが値上がりするとある程度はマーガリンが代替するものの、根強いバターへの選好が存在することを明らかにしました。

 つぎに、不透明で複雑な流通経路からなる乳製品市場を解明し、消費者の満足度と酪農家の収益向上につながるような市場構造への転換(たとえば、入札制度の導入)の必要性を指摘しました。

 また現在、日本の酪農家を守るため、民間が輸入するバターには高関税をかけるとともに、著しい不足時には国家管理のもと緊急輸入で対応しています。しかし、TPP合意により、バターへの関税が低くなると、安い輸入バターとの競争を強いられるでしょう。そこで、生乳生産コストが最も低く競争力をあげてきたニュージーランドと比較しながら、日本の酪農の生産性向上策についても考察しました。

 さらに私たちは現場の実態を知りたいという思いから、乳業メーカー工場の見学や生産・販売担当者へのヒアリングも行いました。このようなアクティブで楽しい研究に取り組めたことで、2回生以降の経済学の学びのモチベーションアップに繋がりました。

共同研究者:写真左 経済学科2回生 隠田 満里那さん

      写真右 経済学科2回生 丸山 桃英さん



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