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TOPICS & EVENTS

07.20

TOPIC

2016

大川隆夫ゼミ実験班によるスタグハントゲームの実験


 私たち大川隆夫ゼミ(2回生)実験班では、ゼミの主要研究テーマであるゲーム理論に基づいて、自分たちで考案した実験を行い、仮説が成り立つかどうか検証する活動を行っています。今回(6月29日)は、紀國ゼミと合同で以下のルールによる「スタグハントゲーム」の検証実験を実施しましたので、国際経済学科2回生の堀江翔太が報告いたします。

 


・得点

「竜」は2人でないと狩れない。「虎」は1人でも狩れる。

2人が「竜」を選んだ場合 - 2人とも5

1人が「竜」、もう1人が「虎」を選んだ場合 - 前者は0点、後者は3

2人とも「虎」を選んだ場合 - 2人とも2

 

・対戦相手は1回ごとに対戦相手を変更し、同じゼミ、異なるゼミと交互になるように設定。

 

・実験中、話し合ってはいけない。

 

・実験の回数を計21回とし、1から5回目の前半は景品なし、6から21回目の後半はそれぞれのゼミで、合計得点が最も高い1位に景品あり。

 

 私たちは、前半は、景品というインセンティブがない、つまり、個人の持ち点を高くすることのみを考えればよいので、協力的な選択肢である「竜」を選択する被験者の割合が多いと予測しました。一方、景品がかかっている後半は、個人の持ち点を高めるだけではなく、相対的に見て自分の得点を高めなければならないので、「虎」を選択する被験者の割合が前半よりも多くなると予測しました。また、景品はそれぞれのゼミの1位に与えられるため、同じゼミの人と対戦する際は非協力的、異なるゼミの人と対戦する際は協力的な選択肢を採ると予測しました。

 


 結果は、前半は「虎」を選ぶ被験者が66%と多く、後半は「竜」を選ぶ被験者が51%と半々になり、予想と反する結果となりました。

 

 仮説と結果が相反した原因として以下の3つが考えられます。

・席替えの際に私語があったので、相手が協力的な人間なのか、非協力的な人間なの見分けることができた。


・アンケートの結果、同じゼミの人と組んだときは、非協力的な選択肢を選び、異なるゼミの人と協力的な選択肢を選ぶべきであるという原理を理解している被験者が4分の1にも満たさなかった。


・被験者が単純に考えて、後半から景品というインセンティブが出てきたために、自分の得点が0になるというリスクを負ってでも、相手と協力すれば得点が高い「竜」を選択する割合が増えたと考えられる。

 


 今回の実験では、予想に反する結果に終わってしまいましたが、回数を重ねるごとにどのような変化が見られるか、選択肢ごとの確率を求めるなど多面的に分析をし、原因を究明したいと思います。

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