本格的な防犯体勢が学校にも必要な時代になりました

 精神障害者を装ったと思われる傍若無人な犯人により、大阪教育大学付属小学校で起こった大変悲惨な殺傷事件は、とても信じられないものであり、未だに驚きを隠せない。まず殺害された幼い子供たちの冥福を心よりお祈りすると共に、今も傷害への治療を続けている子供たちの早期回復を願ってやまない。一方、殺傷された子供たちのご両親や学校関係者、クラスメイトたちに生じた深い「心の傷」を少しでも癒して欲しいものであるが、それがそう簡単なことではないだろうことは理解している。
 今回の不幸な事件は、これまでの自然災害に対する学校での防備体制の堅持と共に、招かざる犯罪者たちから子供達を守るための防犯体制の確立を示唆する結果となった。学校での防備として、刺股、催涙ガス、警棒などの防犯グッズが用意されつつあるようであるが、それだけでは不十分である。何故なら、それらを持ち出す前に、今回の殺傷事件が起こってしまう可能性があるからであり、またそれらを使いこなして犯人に立ち向かえる教職員がどれほど確保できるかといった問題点もある。
 西洋先進諸国は犯罪大国でもあるが、学校現場では、出入口での監視カメラの設置と継続的な監視、地元警察署や契約警備会社による防犯・警備活動などがかなり行われている。
 ここ数年来の若年層による残忍な殺傷事件を含んで犯罪発生が日常茶飯事になりつつある現在、とうとう安全神話が崩れつつある日本の学校現場でも本格的な防犯体制を整えるべき時期に来ているのではないかと思う。
 ボランテイア精神旺盛な保護者たちや地域住民の一部が積極的に防犯活動に参加することは大いに歓迎されることではあるが、ボランテイアだけに自ずと限界もある。やはり、最近内部での不祥事が多かったり、未解決事件が増加している警察組織の信頼を回復するためにも、学校周辺のパトロールをしてもらうことも必要であろうし、PTA会費の一部や市町村自治体からの補助金などでもって、警備会社に委託し、防犯活動をしてもらうことが必要な時期にきているのではないだろうか。
 小学生の子供を持つ親の一人として、21世紀の日本を担う子供たちを守り、正常な学校生活を送らせるための、必要不可欠な費用の負担は当然なものと考えている。

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