マスコミ関係者の無神経で非常識な独特のビジネスカルチャ−は承知できません

「雅子様ご懐妊の兆候」報道は、マスコミ各社「特に芸能番組」の絶好のネタになり、当人はもちろんのこと、家族や宮内庁関係者の言動がしばらく話題になった。年末の再検査の結果、流産・手術という悲しい結果となり、その後の報道数は激減した。いわゆる人気商売ともいえる芸能人なら、致し方ない面も持ち合わせているが、日本を代表する公人の一組として活動している皇太子。皇太妃のプライバシ−までズカズカと入り込み取材し、関連ニュ−スなら何でも流そうとするマスコミ関係者の無神経さ、非常識さは、彼ら独自のビジネス・カルチャ−であるとはいえ、どうも承知できないし、彼らの報道姿勢、言動、レポ−ト内容に疑問を持つのは、筆者だけであろうか。

とにかく、ニュ−スになるような関連素材を見つけだそうと必死に日夜現場を動き廻っている芸能レポ−タ−やカメラマン達の、積極的ビジネス活動は認めるが、公人に対する報道の扱い方、私人に対するプライバシ−保護等、基本的なことを修得しているプロのジャ−ナリストとは、月とスッポンの人達ではないかと疑ってしまう。 いや、ジャ−ナリズムを専門とする教育カリキュラムを持つ日本の大学など、ほんのわずかしか存在しないのであるから、そういう無神経な芸能レポ−タ−やカメラマン達が存在するのは当然といえば当然であろう。

21世紀に突入しようとし、先進諸国の一つとしてリ−ダ−シップを取っている日本で、ニュ−スを伝える役割を演じる報道関係者達の報道姿勢、言動、レポ−ト内容は何とも貧困であり、プロ意識の欠如は情けなく、「諦めの境地」にさえなってしまう。 こういった悪いトレンドを打ち破る制度の確立やリ−ダ−の出現はいつのことやら。一人でも多くの国民が冷静な、しかも客観的に評価する目を持って報道活動を見ていって欲しいと願う次第である。
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