第10章 オ−ストラリア人と効果的なコミュニケ−ションをするには



  1. オ−ストラリアは多文化多民族主義に基づく歴史も浅い「変動社会」である。その結果、形式ばらず、率直で、開けっ広げだとよく言われる。また、大自然の中で、融合しながらのんびりと生きていく生活スタイルも少なからずある。一方、歴史が長く、伝統的な慣習を重んずる日本は、形式的なことにこだわり、時間厳守的な傾向のある社会である。オ−ストラリア人とうまくやるには、初対面の人でも相手を信用して余裕をもって行動することが必要。


  2. オ−ストラリア人は日常生活に使用するブランド製品にこだわる傾向がある。特定ブランドの製品がすぐに入手できなくても代用品を購入したりせず、高いお金を払っても手に入れるという頑固さがある。日本人も同様な傾向の人も結構いるが、基本的に質的に高い物を入手できるし、すぐに新しいものが出てくるので、こだわらない場合も多い。オ−ストラリア人が安易な妥協をしない頑固さを持っていることを理解しておこう。


  3. オ−ストラリア人が大急ぎで仕事をしている姿はあまり見かけない。大陸的な発想からか、決して慌てず、じっくり構えている。もちろん、個人差はあるが、仕事はしなくて済むならしないという考えているのかも知れない。よく言われるのは、「オ−ストラリア人の仕事の仕方は、初めはさっぱり手をつけず、次にそこらに捨て置いて、先へ先へと先送り、そのうちやる気がなくなり、忘れてしまえばそれでよい。」である。頼んだことをやってくれないのは困るが、すぐにやってもらえなくても良しとしよう。


  4. オ−ストラリア人女性は一般に保守的であると言われている。今は男女同数に近いようだが、開国当時から少なかったことから大切されてきているからかも知れない。女性も男性をもり立てる術を心得ているようだ。しかし、男女平等の考え方も普及しているから、ほとんどの職場に女性が進出しているし、結婚してからも家庭外でよく働く。教育レベルの高い女性ほどその傾向は強い。ボランテイア活動も盛んである。日本人はとかく女性を蔑視したり、「妻は家庭を守っていてくれればいいさ。」などと言うものなら、機関銃の弾のように反論される。男女平等の精神を重視し、言葉使いには注意しよう。


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