オム・ジョンシク

2017.05.18



2015年度 望月ゼミ 卒業
チームラボ株式会社
東京都   在住


今なにやってるの?

チームラボという会社で、カタリストという肩書きでお仕事しています。カタリストって、珍しい肩書きですよね(笑)カタリストとは、「触媒」という意味です。今の会社のプロジェクトチームは、社内にいる色んな分野のスペシャリストで構成されるので、そのチームメンバーとお客様との間に入り、モノづくりの環境を整えるのがカタリストの役目です。デジタルを使って「面白いモノ、今までにないモノを作りたい」など、 様々な業種のお客様からの依頼に対して、チームが最大限の力を発揮できるように、モノづくりの環境を整える役割を担っています。
僕の具体的な業務内容としては、アート展示や空間デザイン、イベントプロモーションなどの幅広い領域で、企画から施策の実施まで、空間演出に関わる全体業務に携わり、進行とまとめを担当しています。


ハマっていることある?

最近は、NIKEの広告をよく探してみています。スタープレイヤーが登場するCMも格好いいですが、等身大の人物が奮闘するシリーズやリアルスペースで展開するイベント広告もとても斬新で、みるたびに刺激を受けています。
最近みたものの中で特に面白かったのは、「ひび割れたスマホの液晶画面をみるたびに落ち込んでしまう気持ちを、少し慰めてくれるようなプロモーション」です。他の広告と比べるとかなり小さいスケールの話ですが、温かい気持ちになります。気になる方はぜひ見てみてください。


パッと思い付く大学時代の思い出といえば?

大学時代は、撮影やメディアアートの自主制作などで仲間と喜怒哀楽を共にする日々でした。丁度この記事を書く2日前に大学時代の写真を見返す機会があって、とても懐かしくなりましたね。その中でも特にグッとくるものが、「ベップ・アート・マンス in 大分」というイベントに参加した時の写真です。疲労感満載で片手にはビールを持ち、乾杯と叫んでいる仲間たちの顔が写っていました。このイベントは、アートに馴染みのない人にも楽しんでもらおうという趣旨のもので、何人かの仲間たちと集まって「ポータブル盆踊り ✕ インタラクティブアート」の体験型作品を制作・出展したあとの打ち上げの様子でした。当時は大学生の身分だったので資金的にも余裕がなく、みんなで京都から別府まで格安フェリーに乗って行ったり、本当にボロいゲストハウスに泊まったりして、とにかく身を削って制作活動に没頭していました(笑)本当にかけがえのない思い出です。


なぜ日本の大学に留学したの?

韓国の小さな町で生まれ育った僕は、田舎暮らしを退屈に感じることが多かったです。退屈な日々を送っていた僕をいつも慰めてくれたのが、日本のアニメーションや映画、音楽でした。作品の中で描かれている日本はずっと憧れの街であり、一度は行ってみたい場所でした。全寮制の高校に進学し、命がけの受験戦争に苦しんでいた僕は、ある日ふと思い出しました。この苦しみから早くも開放され、自分が好きな場所で好きなことを思う存分楽しむべきだと。
そのときに一番先に頭に浮かんだのが、日本です。そこからは迅速な行動のみ!
親の反対や一人暮らしへの不安など、思ったより乗り越えなければいけない山は多かったですが、なんとかこうやって憧れの街で無事に暮らすことができました。


日本で働くってどう?

大学を卒業したら当たり前のように日本で就職し、日本での暮らしを続けていきたいと思っていました。そして好きなことをお仕事として続けられそうな場所が日本にはあったので、他の選択肢で悩むことなく、日本で就職することに専念しました。世界のいろんなところでお仕事をさせていただいており、母国である韓国でも大規模な常設展を開催させていただきました。
そこで僕は、自身の言語と国の文化をよく理解しているという利点を生かせることから、最短かつ合理的にお客様のニーズをキャッチ、プロジェクトを円滑に進める役割として参加させていただきました。仕事を進める上で、両国それぞれのやり方と良さを客観的に捉えて判断する力がどれだけ重要であるかを、直接経験できた良い機会でした。韓国で生まれ、日本の企業で働いているという自分の立場を十分活かせることができる今の働き方に、とても魅力と遣り甲斐を感じています。


これからの目標ってある?

これをこうしたいという明確なビジョンはまだ模索中です。ただ、今までにない新しいことやモノを考えつき、現状(他者の考え)を大なり小なりポジティブに変えていきたいと思っています。そして、今現在新しくて面白いことができる環境にいる以上、積極的に周りを巻き込んでいけるように、エネルギーを高めていきたいと思います。


告知したいことある?

チームラボのアート作品多数をひと目で見られる大型展覧会が、いろんなところで開催されています。特にイギリスのロンドンで開催されている展覧会では5点の新作がリリースされ、展覧会のタイトル「Transcending Boundaries」の示す通り、境界のない体験を実現することを試みています。興味のある方はぜひチェックしてみてください!

1.  teamLab World: Dance! Art Museum, Learn & Play! Future Park
    2016年8月5日 - 常設
    Lotte World, ソウル, 韓国
    https://www.team-lab.net/jp/e/teamlabworld/

2.  Story of the Forest
    2016年12月10日 - 常設
    シンガポール国立博物館,シンガポール
    https://www.team-lab.net/jp/e/nms/

3.  人と木々とクリスタル花火
    2017年3月25日 - 6月4日
    グランモール公園 横浜, 神奈川, 日本
    https://www.team-lab.net/jp/e/yokohama_crystalfireworks/





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