立命館大学 エクステンションセンター

海外駐在

海外で働く経験を通して 公認会計士の魅力を実感。

四辻 千尋さん

2013年経営学部卒業

2014年監査法人に入所

Q. 公認会計士を目指したきっかけを教えてください

グローバルに活躍できる職業に魅力を感じました。

 祖父が税理士をしていたため、税理士や会計士という職業は私にとって身近な存在でした。高校生の時に自分の進路を考えようと資格について調べるうちに、公認会計士は大企業とのやり取りが多く海外で働く機会もあることを知り、グローバルに活躍できる可能性に魅力を感じて、公認会計士を志すことを決めました。立命館大学は、公認会計士を目指す人のための学内講座や奨学金制度があるほか、提携先専門学校の講座割引制度、在学中に国家試験に合格した人への奨学金など、資格取得のためのサポート制度が充実しています。私は入学してからこれらの制度を知ったのですが、他大学と比べてとても恵まれた環境だったと思います。

Q. 海外で働くことになった経緯を教えてください。

短期派遣を経て、2年間の海外勤務へのチャレンジを決意しました。

 大学卒業の翌年に国家試験に合格し、監査法人に就職。入所後は、エネルギー関係のクライアントの監査業務に従事してきました。初めて海外で働くチャンスがめぐってきたのは、入所6年目のこと。担当していた企業の子会社がオーストラリアのパースにあり、繁忙期にサポートをするスタッフとして働いてみないかと声をかけていただきました。2カ月間の短期派遣として現地で働く中で、特に難しかったのは会話でのやり取りでした。もっとしっかり現地の人とコミュニケーションしたいのに取れないという葛藤があり、自分の英語力不足を実感しました。
 帰国後、次こそはもっと円滑にコミュニケーションできるようになろうと、2年間の海外派遣プログラムに行くことを目標に、プログラムの参加条件であるTOEIC860点を目指して勉強を始めました。夏休みなどを利用して集中的に勉強し、目標を達成。前回の短期派遣の約1年半後に、タイのバンコクへの赴任が決まりました。

Q. 現在はどんな業務を行っていますか?

クライアントと現地監査チームのコミュニケーションをサポートしています。

 バンコクにある日系企業サービスグループに所属し、日系企業に対するコーディネーション業務を担当しています。日本での業務と異なる点は、自分で調書を作成しないこと。クライアントの日本人マネジメントと現地監査チームの間に入り、コミュニケーションが円滑に進むようサポートを行っています。たとえば、日本人マネジメントの方からの依頼を受けて現地チームに依頼内容を伝える、ミーティングに一緒に参加をしてコミュニケーションミスが発生しないように防止する、といった業務があります。
 さらに、クライアントの要望や課題をヒアリングして、適切なサービスの提供につなげるような営業も行っています。会計系の研修の提供、システム化やDX化のサポートなどさまざまなサービスがあるため、社内の各部門のスタッフと連携を取りながら提案しています。

Q. 仕事のどんなところに魅力ややりがいを感じますか?

海外では経営層と接する機会が多く、貴重な経験を積むことができています。

 現地スタッフとのやり取りの中で文化の違いに戸惑うこともありますが、日々新鮮な気持ちで楽しみながら仕事をしています。日本人マネジメントの方の要望を察知して現地監査チームに伝え、クライアントに満足してもらえた時には、特に大きなやりがいを感じます。日本で働いていた時には、なかなかお会いできないようなマネジメント層の方々とコミュニケーションを取る機会も多く、経営者の考え方や今感じている悩みに直接触れられることは、今後の自分の成長につながるかけがえのない経験だと思います。この経験を生かして、テクニカル面だけではなく、経営者に信頼され、貢献できる会計士を目指していきたいです。
 海外勤務を通じて、公認会計士の業務は本当に幅広いと実感しました。会計監査をするだけでなく、その経験を前提としてさまざまなフィールドで活躍することができます。これから公認会計士を目指す方にとっても、興味を持って取り組める業務がきっとあると思いますので、ぜひ前向きにチャレンジしてもらいたいです。