「多文化共生をめざした日本語教育プロジェクト(すきやねんにほんご)」は、2013年に地域に根ざした日本語教育を目的として立ち上げられ、濱嵜さんもメンバーの一人として活動していた。活動する中で、外国にルーツを持つ子どもたちにも学習支援の必要性を感じていた濱嵜さんの先輩たちが中心となり、2016年10月、京都府国際センターの協力のもと「虹のたまご(以下、にじたま)」を発足し、濱嵜さんが代表となった2017年7月からキャンパスプラザ京都で本格的に活動している。

第1、2、3土曜の午前中に実施している教室では、必ずしも日本語を学ぶわけではない。子どもたちに「今、勉強したいことは何?学校で困っていることはない?」などとヒアリングし、ひらがなの練習やお絵かきなど、一人ひとりのニーズに合わせたカリキュラムで、90分間スタッフがマンツーマンで付き添うという。

たくさんの人のサポートを受け、教室も自身も成長

以前は、「にじたま」への参加者をどう増やすか、リピーターになってもらうにはどうしたらいいかという課題があったが、最近、少しずつではあるが認知度が高まってきているという。その反面、増える参加者に対してマンツーマンでの指導は必須か、スタッフのスキルアップを図るにはどうしたらいいかなど、改善していかなければならない課題も生じてきた。そのような課題に直面したときは、国際交流センターの方や前代表に相談するなど、たくさんの人たちのサポートを受けて奮励努力している。

代表としての仕事である、参加家族との情報共有、教室で起こるさまざまな出来事にも対応できるようなり、「にじたま」での活動を通じて、何事にもフットワーク軽く動けるようになったと自身の成長を語る。また、今年の夏休み、濱嵜さんにとって嬉しい出来事があったという。「教室に連続して参加してくれていた二組の兄弟が、4人で仲良く遊んでいたんです。子どもたちの出会いにもつながり、楽しく過ごせる場所になっているかな…と思えた瞬間でした」

外国にルーツを持つ子どもたちとの絆

濱嵜さんは、産業社会学部の小澤 亘教授が大阪などの小学校で実施している、外国にルーツを持つ子どもたちの学習支援プログラムに学部3回生のときから参加している。濱嵜さんにとって子どもへの学習支援活動の原点でもあり、日本語教師を目指すきっかけになったプログラムで、現在も週2回継続して参加しているという。また、来春から働く日本語学校でも週2回の授業を行うなど、さまざまな場所で活躍し、充実した日々を過ごしている。

「子どもたちが自分を表現できる居場所と交流の場になってくれるといいですね」と「にじたま」の未来図を描く濱嵜さん。これまでに蓄積された知識と経験を遺憾なく発揮し、多くの子どもたちに居場所と笑顔をもたらしてくれるだろう。

PROFILE

濱嵜愛夏さん

大阪府立千里高等学校(大阪府)卒業。スポーツが好きで、中学・高校はバスケットボール部、大学4年間は女子サッカー部に所属。今もサッカー部のOGとフットサルを楽しんでいる。産業社会学部スポーツ社会専攻で学び、言語教育情報研究科では「年少者日本語教育(日本の学校に在籍する外国にルーツを持つ児童生徒への日本語教育・教科指導)」について研究。今夏、オーストラリアで3週間の教育実習を経験、来春からベトナムで日本語教師として着任予定。

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