2017年12月10日、大阪府茨木市の商店街の一角に、ひときわにぎわいをみせる場所があった。築100年以上の店舗を改築した、お洒落なリノベーション工房「リノベのいばらき」。オープニングイベントには、多くの地域住民が集まり、定期的にさまざまなDIY講座が開催されている。「多くの人が集まってオープンを迎えられてよかったです。学生がもっと地域と関われる場所になれば」と話すのは、茨木の活性化を目的とした茨木市のプロジェクトに参加した岡部さん。

築100年の店舗をリノベーション

プロジェクトに参加したきっかけは、2017年4月、茨木市から大学へ「地域住民と交流できる場所として活用してほしい」との依頼だった。以前、前期課程修了後に就いた仕事で地域活性化に関わり、古民家を改修してシェアハウスを作っていた岡部さんは、「これまでの経験を生かせるのではないか」と興味を持ったという。同じ研究室の学生や理工学部建築都市デザイン学科の武田研究室に依頼し、経営学部と理工学部の学生らが協力してプロジェクトに関わることとなった。当初から、「モノづくり」を軸にすることは既に決まっていたものの、岡部さんは、「DIYの場だけではもったいない。この場が何かを始めるきっかけやコミュニティが生まれる場所にしたい」という思いで、『「モノづくり」から「コトづくり」』をテーマに連携先の企業や大学と調整を重ねてきた。

学生、地域住民と作り上げた工房

学生、留学生と一緒に街を散策して、茨木を活性化するためのアイデアを出し合ったり、地域住民に向けた発表の場を設けたりもした。ワークショップの一環で、指導を受けながら解体作業や壁塗りをするなど、地域住民と学生が一緒に作り上げることで愛着を持ってもらおうと工夫を凝らした。予算管理や企画書の作成などの事務作業、学生たちの引率まで仕事は多岐にわたり、市役所や企業との調整はとても大変だったという岡部さん。オープン後も運営を担当する、日本旅行とやりとりをしながら、イベントの企画に取り組む学生と打ち合わせやビラ配りなども行っている。イベントが行われていないときでも毎週工房に足を運び、立ち寄った地域住民と話をすることもあるという。「地域の方も『リノベのいばらき』に興味を持ってくれていると感じます。この場所で、新たなコミュニケーションが生まれることが面白いです」と語る。

第3の居場所を目指して

今後は、大学のイベントとして講座の開催や学生の学びの場としての活用も考えている。また、2階はこれからリノベーションが始まり、理工学部の学生たちとデザイン案を出しながら作り上げていく予定だ。プロジェクトはまだ始まったばかりで、大学として何ができるのか模索し続ける岡部さん。「多くの人が集まれる場所にしたいです。家、職場や大学の次に心地よい第3の居場所(サードプレイス)にしていきたい」と思いを語った。

PROFILE

岡部周平さん

立命館宇治高等学校(京都府)卒業。立命館大学経営学部卒業後、経営管理研究科前期課程に進学。奥村研究室で「国際会計基準」に関する研究に取り組み、立命館ビールや立命館列車の企画販売に携わる。前期課程修了後、兵庫県丹波市にある製造メーカーに就職。その後、経営学研究科後期課程に入学し、現在は善本研究室に所属。「地域活性と科学技術イノベーションの社会実装」をテーマに研究を進めている。

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